観月ありさ、令和でも“マドンナ”の象徴に 『オクラ』で発揮する“科捜研の女”の存在感

観月ありさ、令和でも“マドンナ”の象徴に

 放送中のドラマ『オクラ〜迷宮入り事件捜査〜』(フジテレビ系)に観月ありさが参戦中だ。しかも、彼女が扮するのは非常にユニークな役どころ。主人公・飛鷹千寿(反町隆史)の“元妻”であり、“科捜研の女”なのだ。

 観月と反町は、意外にもこれが初共演作。平成前期から令和まで、同じ時代を駆けてきたふたりの掛け合いに注目なのである。

 本作は、長きにわたって未解決となっている“オクラ(お蔵入り)状態”の事件に刑事たちが挑む、ヒューマン・ミステリー・エンターテインメントだ。物語の中心に立つのは、“捜査は足で稼ぐ”がモットーの飛鷹千寿(反町隆史)と、“タイムパフォーマンス重視”の不破利己(杉野遥亮)。この“人情深い昭和刑事”と“クールな令和刑事”の凸凹コンビが、あの手この手でお蔵入り状態の事件を解決していくのである。

 観月が演じる井伏愁は、冒頭で述べているように科捜研所属の研究員であり、自らを千寿の「元嫁」と称する女性だ。明るく陽気な人物のようで、利己の冷静沈着な態度にも怯む様子はなし。お蔵入りしかけている事件の犯人を引っ張り出すため、鑑定のみならず、証拠の捏造も行っている。やはりユニークな役どころだ。

 本作の見どころはいろいろとある。劇中で描かれる事件そのものはもちろんのこと、どのように犯人を引きずり出すのかも注目のポイント。しかし、見どころの中でも最たるものは、やはり反町と杉野がダブル主演を務め、千寿と利己としてコンビを組んでいる点だろう。反町は『ビーチボーイズ』(1997年/フジテレビ系)や『GTO』(1998年/カンテレ・フジテレビ系)などで主演を務め、平成前期のエンターテインメント界を背負ったスターだ。そして杉野は次々と話題作に出演し、令和前期のエンターテインメント界の中心人物になりつつある存在なのである。

 いまは令和なのだから、この時代に即した価値観で誰もが生きている。当然ながら時代が変わっても変わらないものもあるが、平成や、ましてや昭和などとはさまざまな物事の価値観が異なる。杉野が幼少期の頃、いまとは価値観が大きく異なる時代を反町は駆けていた。そしてふたりは、それぞれが過ごした時代を象徴するようなキャラクターを体現し、この『オクラ』で肩を並べている。私たち視聴者にとって本作は、“時代の交差点”ともいえるものなのではないだろうか。反町と杉野が並ぶことで、いろいろな発見があるのだ。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる