『虎に翼』伊藤沙莉&岡田将生の恋は成就するか イマジナリーではない優三の言葉の重み

『虎に翼』寅子&航一の恋は成就するか

 手紙は続く。ここまでは相手の男性の条件だった。ここからは、寅子自身のことだ。もし、寅子が運命を感じて「その人を前にして胸が高鳴って仕方ないのなら、その人が好きなら」、その人と一緒になってほしい。寅子が寅子自身を信じられることが大切で、自分は寅子と優未を信じて見守り続けると綴られていた。

 目に涙をためる寅子。「なんで、いつもいつも」には、自分を深く理解してくれる相手を持てたことの幸せや、死んでなお無償の愛をそそぐ優三への感謝も込められていたと思われる。仮にもし優三の手紙がなかったら、花江に詰められて少なくない言葉の応酬があり、意地を張った寅子が二度と結婚しないと言い出すことも想像できる。イマジナリーではない分、優三の言葉には重みがあって、優未だけでなく花江を納得させるにも十分だった。

 自分から溝を作りに行く航一と自身の感情に無頓着な寅子は、このまま行くとハヤシライスと麻雀を楽しむ同僚で終わる可能性もある。一歩を踏み出せない年長カップルに、周囲が気をもんでお膳立てする様子は微笑ましい。その点で、友情結婚を選んだ高瀬(望月歩)と小野(堺小春)は互いの人生を考えて一歩を踏み出したわけで、寅子が言うように、個人の選択が尊重される世の中になってほしいと思う。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、岡田将生、森田望智、田口浩正、遠山俊也、望月歩、堺小春、三山凌輝、竹澤咲子、和田庵、高橋克実
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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