永瀬アンナが再構築した“ハーレイ・クイン像” ヴィランが持つ不思議な魅力とは?
気まぐれで愛嬌抜群、時に破天荒な一面を見せ、周りを振り回す“ヴィラン界のプリンセス”。ハーレイ・クインは、原作コミックや実写映画で世界中のファンに愛されてきた。そのバトンを受け継ぎ、新たなハーレイ・クイン像を創り上げたのは、今注目の声優・永瀬アンナだ。
そんな彼女が出演する『異世界スーサイド・スクワッド』は、DCコミックス原作の『スーサイド・スクワッド』を完全新作アニメーション化したもの。ハーレイ・クインをはじめ、魅力的なヴィランたちが集う本作で永瀬は、どのような思いで声を吹き込んだのだろうか。キャラクターに向き合う過程やアフレコ現場でのエピソード、そして物語でヴィランが担う役割について語ってもらった。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
明るさが前面に出た“新たなハーレイ・クイン像”
――ハーレイ・クイン役はオーディションで掴んだそうですね。役に決まったときの率直な感想を教えてください。
永瀬アンナ(以下、永瀬):まず、世界的に人気を集めている『スーサイド・スクワット』が日本でアニメ化されると聞いて驚きました。しかも、DC作品で一番有名な女性キャラといっても過言ではないハーレイ・クイン役をまさか自分がやることになるなんて……もうめちゃくちゃ嬉しかったです。
――本作は国内だけでなく、海外でも非常に大きな注目を集めています。
永瀬:日本のアニメーションが世界的に注目されている今、 日本のアニメとアメコミの融合は、みんなが待ち望んでいたことだったと感じています。本当に想像以上の反響があり、愛される作品にできたんだなと、嬉しさを噛み締めています。
――実写映画ではマーゴット・ロビーやレディー・ガガ、吹き替えでは東條加那子さんなどこれまで名だたる方がハーレイ・クインを演じています。そのバトンを受け取るにあたって、プレッシャーはありましたか?
永瀬:もちろんありました。私はキャリアが長いわけではなく、オーディションもかなりの人数が受けたと聞いていたので、「受かったらラッキーだろう」ぐらいに思っていたんです。なので、今回選んでくださったと聞いたときは「今まで以上に気を引き締めて取り組まなければいけないぞ」という緊張感がありました。加えて、実写版の吹き替え声優さんではなく、オーディションで私を選んでくださったということに関しては、今までのハーレイ・クイン像をアップデートしたいというメッセージも感じました。
――本作では“異世界”という要素が新たに加わっていますよね。
永瀬:そうなんです! “異世界”をアメコミ作品に融合させるという発想がすごく面白いなと思いました。
――新たなハーレイ・クイン像を作るにあたって、過去作はどの程度参考にされたんですか?
永瀬:もともと他の作品は知っていましたが、オーディションが決まってからは真剣に観直しました。やっぱりマーゴット・ロビーさんが演じるハーレイのかわいさにはすごく胸がときめきましたね。だから、良いところは残しつつ、新たなハーレイ像を作れたらいいなと考えていました。
――今までのハーレイ・クインとの“違い”について、具体的に教えてください。
永瀬:『異世界スーサイド・スクワット』のハーレイは、「何でも楽しめる精神」を持っています。どんな状況に置かれても、その状況を楽しむ方法を常に考えている。実写映画だと、暗い部分との二面性がしっかり描かれている印象がありますが、今回のハーレイは、キャラクターデザインからも分かるように、すごくポップでキュートで、明るさが前面に出たキャラクターなんです。だから、作中で気持ちが落ちることはほぼありません。ただ、記憶の中に悲しい過去があるので、“今はそれを完全に乗り越えて自分の人生を楽しんでいる”というハーレイ像が伝わればいいなと思っています。
――声のお芝居について、意識していたことはありますか?
永瀬:いい意味であまり考えすぎないことですね。ハーレイは傍若無人というわけではないけれど、好きなことしかやらない人だと思うので。なので、作中では、結構フリーダムにアドリブとかも入れています(笑)。とにかく自分も楽しくやろうというのは、台本をいただいたときから思っていました。
――喜怒哀楽がはっきりとしているところもハーレイの魅力の一つですよね。
永瀬:彼女は元精神科医で立派な大人なんですけど、たまにどこか少女のような表情も見せたりと、表情がコロコロと変わるんですよね。だから、声の高低差でテンションを表現してみたり、アクションシーンや普通の会話のシーンでアドリブを入れてみたりしました。
――アフレコ現場も楽しそうですね。
永瀬:クレイフェイス役の福山(潤)さんのアドリブ祭りがすごくて(笑)。本番では使えるもの・使えないものと分けられてしまいますが、結構テストはみんなやりたい放題でした。「それ使える?」みたいなアドリブも割と採用されていたりして、楽しかったです。初めてお会いする方も多かったんですけど、「ここに一個音を入れると、もっと躍動感が出るよ」など先輩方がたくさんアドバイスをくれたので、“チーム感”という意味でも心強かったです。