敵から味方になったキャラ5選 『WIND BREAKER』桜遥×十亀条のタイマンは屈指の名場面に

敵から味方になったアニメキャラ5選

 今期もさまざまなアニメが放送され、物語がいよいよ大詰めを迎える作品も存在する。筆者はいつの時代も主人公の敵、あるいはライバル的立ち位置のキャラに心惹かれてしまうことが多いのだが、春アニメにもそのようなキャラクターが多く存在した。

 そこで今回は、春に放送されたアニメから「序盤は主人公と対立していたが、展開を経て和解、または味方になった」キャラクターに焦点を当て、主人公や作品に与えた影響を深掘りしていく。

『WIND BREAKER』十亀条

 第3話で登場し、防風鈴と対峙することになる獅子頭連の副頭取・十亀条。彼は味方に対し、ラムネの瓶を打ち付け制裁を行っていたこともあり、“ヤバい奴”だと感じた視聴者も多いだろう。その光景に対し「ダサい」と言った桜と真っ向から対立。桜と十亀のタイマン勝負では、普段はゆったりした口調な十亀らしからぬ強烈な“怒り”を見せる場面もあった。

 しかし、それまでの行いは全て頭取である兎耳山丁子のため。自身の仲間が中学生を追い回していた事実を知り、殴りかかるシーンでは十亀がただの“極悪非道な奴”ではないことが明らかになった瞬間でもあった。さらに戦いの中で桜の信念を聞いた十亀が「オセロ君」から「桜」呼びに変わる場面も屈指の名シーンであり、彼が桜と真っ向に向き合い挑む姿は視聴者の心にも響いたはずだ。

 結果的に獅子頭連は防風鈴に敗北したが、“友達”になるということで幕を閉じた。十亀は敵に回すと厄介な人物だったが、第10話では帰宅する桜に対し会釈をしたりと本来の人柄の良さも見て取れる。そんな2人のタイマンは、視聴者にとっても記憶に残る戦いになったことだろう。

『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』御影玲王

 2024年4月に公開された『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』は、『ブルーロック』をサッカー歴半年の天才・凪誠士郎の視点で描いた作品だ。本作で凪をサッカーの道に誘った張本人でもある御影玲王は、チームVのメンバーとして主人公・潔世一らチームZの面々と激しいバトルを繰り広げた。

『劇場版ブルーロック -EPISODE 凪-』は見事な“再構成”に 凪目線で映る天才の不気味さ

スポーツ観戦の面白さは、選手たちが織りなす人間ドラマにあると思っている。手に汗握るゲームの展開や臨場感はもちろんのこと、やはり「…

 特に潔が「サッカーなめんな!」と彼や凪に指をさすシーンは、努力して勝ち上がってきたチームZと、生まれ持った才能を発揮し勝ち続けていたチームVの差を実感させた。チームVの起点として活躍する玲王は、主人公にとって最大の“敵”であるということを象徴していたかのようにも思える。

 全体的に器用で交渉術にも長けた彼は味方につけるとかなり心強そうだ。しかし、順風満帆そうな人生を送ってきた彼でも青い監獄(ブルーロック)での生活はなかなかに困難を極めている。彼が今後どこまで勝ち残っていけるのか。主人公の潔だけでなく、個性豊かなサブキャラクターたちにも目を向けていきたい。

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