ロマンス作品にもハードボイルドな役にもハマる “アジアの貴公子”チ・チャンウクの快進撃

“アジアの貴公子”チ・チャンウクの快進撃

 とはいえ、やはりチ・チャンウクの魅力がより光るのは、現代劇に他ならない。2014年の主演ドラマ『ヒーラー~最高の恋人~』では、チ・チャンウク演じる闇の便利屋「ヒーラー」ことソ・ジョンフと、いつもチャーミングなヒロイン像を見せてくれるパク・ミニョン演じるインターネット新聞の熱血記者チェ・ヨンシンのロマンスにうっとり。2017年は入隊前最後の主演ドラマ『あやしいパートナー ~Destiny Lovers~』で、敏腕検事でありながら破天荒なヒロインに振り回されるノ・ジウク役でラブコメディにも初挑戦し、話題を呼んだ。 

『アンナラスマナラ -魔法の旋律-』Netflixにて配信中

 2020年はチ・チャンウク×キム・ジウォン主演の『都会の男女の恋愛法』で、建築家パク・ジェウォン役として、“ロマンス職人”ともいわれるチ・チャンウクの恋に揺れ動く男性像に見入ってしまう女性が続々。2022年の主演ドラマ『アンナラスマナラ -魔法の旋律-』では、ミュージカル出身俳優としての実力を発揮し、学校でも家庭でも苦労して厳しい現実を生きる高校生に、未来を信じる力を与えるミステリアスな魔術師のリウルを、時に繊細に、時に躍動的に演じてみせた。

 同作は、貧困、いじめ、自我の芽生えや絶望の中での希望がテーマながら、重苦しくならずに魔法の世界へ入ることができたのは、ファンタジーミュージカルの要素がちりばめられ全6話とコンパクトだったこと、そして何よりチ・チャンウクの揺るがない魅力があったからこそだろう。ミュージカルといえば、2010年にはカン・ハヌルと共演したミュージカル
『スリル・ミー』、第7回ザ・ミュージカル・アワードの男優新人賞を受賞した2013年の『あの日々』が注目を集めた。以降もミュージカル、ドラマ、映画、歌手とジャンルレスに大活躍中のチ・チャンウク。

『サムダルリへようこそ』(JTBC公式サイトより)

 近年では、2023年に済州島を舞台にしたヒーリングドラマ『サムダルリへようこそ』で故郷を愛する純朴なチョ・ヨンピル役を演じてほっこりさせたかと思えば、ノワールクライムアクションドラマ『最悪の悪』では、泥臭い刑事パク・ジュンモ役を演じて驚かせた。犯罪組織に潜入捜査するジュンモと妻、犯罪組織のリーダーという3人の関係が交差。激しいカーアクションや乱闘シーンもあり、ハードな作品にもハマることを証明した。

『最悪の悪』©2023 Disney and its related entities

 6月21日からは、韓国バラエティ『My name is ガブリエル』がディズニープラス「スター」で配信スタート。何人かの著名人がそれぞれ見知らぬ国へ行く企画で、チ・チャンウクはメキシコ・グアダラハラで“他の誰か”として72時間を過ごし、その姿を届ける新感覚のリアリティショーというのだから興味深い。さらには2024年の待機作として、ドラマ『江南ビーサイド』、アクション時代劇『于氏王后』と続くチ・チャンウク。今度はどんな姿を披露してくれるのか、楽しみにしている。

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