“推せる”キャラを生むアニメの共通点 『五等分の花嫁』『リコリス・リコイル』を分析
『リコリス・リコイル』
『リコリス・リコイル』はガンアクションやシリアスな展開も目立つが、主軸となっているのは千束・たきなというタイプの異なる2人が心を通わせていく過程だ。女性バディものとしての魅力と、キャラクターデザインの良さも相乗効果となり、オリジナルアニメとしては異例の人気を獲得した。
『リコリス・リコイル』の魅力は、アニメファンを狙い撃ちしたような作品に見えて、しっかりと大衆的な要素が盛り込まれていることだ。女性キャラがガンアクションで普段とのギャップを見せたり、「天才ハッカーが実は女の子だった」というシチュエーションは、アニメファンが好む傾向にある。その中に謎が謎を呼ぶシリアスな展開、闇の組織の存在など、王道かつ多くの人がワクワクする要素が無理なく大量に盛り込まれている。
報われる“推し活”
そしてこれらの作品は、“推し活”が報われたこともファンにとっての魅力だ。最もわかりやすい形では新作の制作で、前述のとおり『リコリス・リコイル』は続編の制作が発表されており『五等分の花嫁』に関しては、2年連続で新作アニメーションの制作が決定した。
推しの新たな姿を観られることは、ファンにとって最大の喜びだ。推し続けたことで新作が制作されるとなれば、ファンはより力を入れて応援するようになり、グッズや1番くじへの重課金もいとわない。SNSを通じファン同士で交流し、オフ会で新たな交友関係が出来上がるのも楽しみのひとつだ。
例に挙げた『五等分の花嫁』では、アニメをきっかけに五つ子を演じた声優さんのことを知り、ファンクラブに入会する人も多い。熱狂的なファンを獲得した作品は、アニメの幅を超えて広がっていくのだ。