『正直にお伝えします⁉』コ・ギョンピョが持つ唯一無二の空気感 恋の三角関係に進展も?

『正直にお伝えします⁉』恋の三角関係

 キベクは、嘘をつけなくなったことにより、社内で悪評判となり居場所を失くしてしまう。そんなキベクにウジュは、「正直になれたのは悪いことじゃないかもよ」と告げるが、キベクは「キャスターになるためにすべてを我慢してきた」と返す。ウジュは「あなたにとってニュースは何なの?」と問い、「大切なのは心の護身術よ。自分の心だけは守らなきゃ」と励ます。ウジュの言葉に自分を奮い立たせたキベクは、夜のニュースのアンカーを決めるオーディションに参加することにする。

 キベクは、実家に帰ることにするが、その屋上でウジュに出くわす。キベクの一家が住んでいる借家の大家はウジュの家族だったのだ。キベクとウジュは、顔を合わせることが増え、ふたりの距離が近づいていく中で、キベクは嘘の“オンオフ”スイッチがウジュであることに気がつくのだった。

 コ・ギョンピョの持つ独特な雰囲気は、「自分だけが見つけたイケメン」のような特別感を感じさせる。コ・ギョンピョは、これまで演じてきた役柄の影響もあって、優等生のようでもあり、常軌を逸したサイコパスのようでもあり、常に追い詰められているようにも、鷹揚で伸びやかにも見える、唯一無二の雰囲気を持つ。本作で演じるキベクは、周囲が望む嘘をつき、優等生のエリートを演じてきたが、感電をきっかけに溜まったフラストレーションを吐き出すかのように、四角い目をして毒舌を繰り出す姿がシュールで面白い。表面張力ギリギリで耐えていたのに、そこから水滴が1滴落ちたが最後、機関銃のように止まらなくなる毒舌は、キベクの常日頃の鬱憤のあらわれだ。

 物語のモチーフとして、古今東西「嘘」はよく使われるが、嘘がつけなくなったキベクを中心とした物語の全体のトーンは、ドタバタコメディを中心にしながら、名言が盛り込まれたり、じんわりさせられたりと、肩の力を抜いてみることのできるドラマになっている。さらに、キベクとウジュの関係性に、ウジュの元彼でありスターのキム・チョンウン(チュ・ジョンヒョク)が絡む恋の三角関係や、キベクとウジュがお互いに支え合いながら奮起していくハートフルな展開もあり、今後が楽しみなところだ。

■配信情報
『正直にお伝えします!?』
Netflixにて配信中
出演:コ・ギョンピョ、カン・ハンナ、チュ・ジョンヒョク
原作・制作:チャン・ジヨン、チェ・ギョンソン
(写真はJTBC公式サイトより)

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「海外ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる