ヴィラン連合、黒ずくめの組織、暁、破面など アニメに登場する“悪の組織”といえば?
5月4日より『僕のヒーローアカデミア』第7期の放送がスタートする。本作の主人公である緑谷出久(デク)と対峙する敵として君臨するのがヴィラン連合だ。いわゆるヒーローとは対照的な悪の組織でありながら、魅力的なキャラクターが多く存在しており、ヒーローと同等かそれ以上に多くのファンから支持されている。
『僕のヒーローアカデミア』以外にも、バトル漫画には必ずと言っていいほど“悪の組織”が登場し、その個性や組織が持つ強い信念は多くのファンを魅了している。本稿では、そんなアニメ作品に登場する様々な“悪の組織”をまとめてみたい。
ヴィラン連合/『僕のヒーローアカデミア』
『僕のヒーローアカデミア』は人口の8割が何らかの特殊能力を発現させた超人社会において、“無個性”のデクがNo.1ヒーロー・オールマイトから“個性”ワン・フォー・オール(OFA)を受け継いだところから始まる物語だ。その中で悪の組織として登場するのが、死柄木弔を筆頭とした「ヴィラン連合」である。ヴィラン連合は、個性を使って罪を犯した者や現在の社会に疑念を抱いている者など、様々なバックグラウンドを抱えているメンバーで構成されている。
彼らの目的は複雑ではあるが、最大の目的は現行のヒーロー制度を崩壊させること。その首謀者とも言える死柄木は、幼い頃は同世代の多くの子供たちと同様にヒーローへの憧れを抱いていたが、祖母・志村菜奈がヒーローであることを知り、ヒーローを嫌悪していた父親から暴力を振るわれてしまう。そこで全てが嫌になった幼い死柄木が「崩壊」の“個性”を発露し家族全員を殺したことから、ヒーローをひどく嫌い、「超常解放戦線」の最高指導者として君臨することになる。
ヒーローは困っている人を助ける存在であるが、全ての人を助けられるわけではない。一方はヒーローに憧れ、また一方はヒーローを憎む。ヴィラン連合に集まったメンバーはそのヒーローに助けられなかった過去を持つ人物なのだ。ヒーローの1人であるベストジーニストは「ヒーローとヴィランは表裏一体」という言葉を残していたが、この言葉はまさにヒーローと敵<ヴィラン>の関係性を的確に表している。
片方が正義で、もう片方が悪という単純な関係性などではない。どちらも自分たちの信念で世の中を変えたいと願っており、自らの信念のもと活動している。だからこそ、死柄木を始めとしたヴィラン連合は敵以上の魅力を持っている。
黒ずくめの組織/『名探偵コナン』
『名探偵コナン』の主人公・江戸川コナン(工藤新一)が追う「黒ずくめの組織」は、各国の諜報機関も追う国際的な犯罪組織であり、本作における最大の敵勢力である。原作や映画でもほとんど姿を見せることはないが、ジンやベルモットなどは作中でも屈指の人気キャラクターとなっている。
構成員は基本的に黒の装束に身を包んで任務を遂行しており、全容は分からないままであるが、謎の薬を開発したり、金銭の取引をしたり、重要人物の暗殺をしたりと、様々な犯罪行為に手を染めている。半世紀前から「極秘プロジェクト」を進めていることが明らかとなっているものの、未だ組織全体の目的は明らかになっていない。それだけ多くの謎を抱えている組織であるがえゆえに、未知の魅力がある。
組織を率いるのはこれまで長らく「あの方」として呼ばれていた烏丸蓮耶。世界屈指の財産を所有する一家の出であり、工藤優作には「日本で最も強大な人物」とも称されている。烏丸に忠誠を誓って実際に暗躍しているのが幹部たちだ。彼らは酒の名前のコードネームで活動し、ストーリーに関わる大きな事件に関与している。
長い期間をかけてもコナンたちが組織の全容を明らかにすることができていないのは、ボスである烏丸の警戒心の高さと徹底した管理体制にある。たとえば、シェリーとして組織に従事していた灰原哀が、組織から逃げだそうとした際に外に情報が漏れることを危惧して監禁されるなど、組織の裏切りに対してはかなりナーバスになっている。果たして、黒ずくめの組織の正体が明かされる日は来るのだろうか。