ハ・ヨンス、日本で挑戦し続ける覚悟を語る 『虎に翼』崔香淑役は人生の第2幕に

「この道を決めた以上、頑張るしかない」

――話題は変わりますけど、4月からは『ハングルッ!ナビ』(NHK Eテレ)にもスキット役として出演されますよね。昨年は『ワルイコあつまれ』(NHK Eテレ)内の「ワルイコハングル」で草彅剛さんが演じるチョ・ガンホの妻役としても出演していました。

ハ・ヨンス:私が子供の時、草彅さんはチョナン・カンとして韓国の音楽番組で歌ったり踊ったりして有名でした。その方と共演できて不思議でしたし、嬉しかったです。

――草彅さんは朝ドラ『ブギウギ』に出てますけど、ヨンスさんは蒼井優さんも好きなんですよね。

ハ・ヨンス:好きです。なので『ブギウギ』は観ていました(笑)。もう素晴らしい。ああいう人になりたい。キャラとして完全に自分を消したり、特徴があまりない普通の人の演技もすごいし、いきなりバーッて輝いていく、そういうシーンも私が何十年かかってもできない演技をしてる方だと思っています。蒼井優さんが出演している『オーバー・フェンス』が好きな映画のナンバー5に入るぐらい好きで、何回も観たんですよ。その時の蒼井優さんの演技が本当に輝いていて。私もこんな映画に出てみたいと思っていて、今でも本当に尊敬しています。

――先ほども紙さんの出演されている作品を知っていたと話していましたが、日本の作品というのは観たりしているんですか?

ハ・ヨンス:最近は韓国の作品はあまり観ないで、日本の作品を観ることが多いです。『ブギウギ』は何回も観てるし、それ以外には最近話題になっている韓国のチェ・ジョンヒョプさんが出てる『Eye Love You』(TBS系)も観たりしました。自分のことで精一杯だから、ほかの作品を観る余裕があんまりないんですけど、最近の作品はできる限り観ようと思って頑張ってます。

――『Eye Love You』にチェ・ジョンヒョプさんが出演しているというのは刺激になるところもありますか?

ハ・ヨンス:正直あります。性別は違うし役として被りはしないんですけども、いきなり日本で主役級にパンッ!と注目されるのは羨ましいことだから、私ももっと頑張らなくちゃって思います。

――ヨンスさんもこの朝ドラをきっかけに大きく飛躍されるはずです。

ハ・ヨンス:ありがとうございます。恥ずかしくならないように、もっと頑張ります。

――ヨンスさんは日本を拠点に活動する韓国人俳優ですが、香淑が自身の道を切り開いていくのと同じ立場でもあるのかなと思うのですが、そこは共感する部分もありますか?

ハ・ヨンス:全く同じ立場だと思います。海外の言葉で演技することって本当に難しいと思っていて。声の出し方も、一個いっこ繊細に自分も直さないといけなかったし。半年前と比べたらだいぶ良くはなってると思います。でも、それでも足りないですよ。この録音を私が聞いたとしたら「うわ……」って絶望するぐらい、今でもそれを感じながら喋ってるから。だから、より良くならないといけないとは思います。日本語で演技をするのが自分にとっては永遠の勉強かな。乗り越えても乗り越えても次がある。ここまで自分で頑張って来て、朝ドラの出演も決まって、もっとさらに上手になっていい演技をしてみたい。映画にも出てみたいし、そういう意志が強くなっていて。でも、タイミングもあるじゃないですか。私は監督ではないし、制作の人じゃないから、特に日本は選ばれないと仕事は難しいから。だから、この朝ドラが放送されて反応がきたら嬉しいですけど、それがない可能性も含めて考えて、次の道も自分が一人で切り開いていく、探さないといけないと思っています。苦労やハードルが高くなっても、自分がこの道を決めた以上、頑張るしかないと思っていて。そういう強い覚悟を持って日本に住んでるから。応援してくださってるファンの方をがっかりさせないように頑張りたいと思います。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『虎に翼』
総合:毎週月曜〜金曜8:00〜8:15、(再放送)毎週月曜〜金曜12:45〜13:00
BSプレミアム:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜8:15〜9:30
BS4K:毎週月曜〜金曜7:30〜7:45、(再放送)毎週土曜10:15~11:30
出演:伊藤沙莉、石田ゆり子、岡部たかし、仲野太賀、森田望智、上川周作、土居志央梨、桜井ユキ、平岩紙、ハ・ヨンス、岩田剛典、戸塚純貴、松山ケンイチ、小林薫
作:吉田恵里香
語り:尾野真千子
音楽:森優太
主題歌:米津玄師「さよーならまたいつか!」
法律考証:村上一博
制作統括:尾崎裕和
プロデューサー:石澤かおる
取材:清永聡
演出:梛川善郎、安藤大佑、橋本万葉ほか
写真提供=NHK

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