『厨房のありす』で料理が担う役割とは 視聴者参加型の楽しさは『フェルマーの料理』でも

『厨房のありす』で料理が担う役割とは

 毎回、美味しそうなごはんが登場する『厨房のありす』(日本テレビ系)。しかもそれぞれの料理にありす(門脇麦)の思いがこもっている。

 倖生(永瀬廉)への恋を自覚したありすは、和紗(前田敦子)の家で、好きな人が喜んでくれることをするのがアプローチのひとつだと学び、お重をお弁当箱にして倖生の好きな物だけをひたすら詰めたお弁当を作った。心護(大森南朋)の研究室のメンバーにもお弁当は作ったが、それは普通のお弁当箱サイズ。気持ちが先走りすぎて、愛の大きさがそのままお弁当箱の大きさに反映されてしまった形だ。初心で浮かれてしまっているありすの様子がとてもかわいく思える場面だった。だが、ありすが自分は失恋したと思い、倖生を忘れるためにもりもり作ったのも倖生が好きなマグロカツとポテトサラダだった。ありすにとって料理をすることは、熱中して時間を忘れることができるものでもあるようだ。

 それと同時に、ありすにとってのごはんは、人から喜んで貰えるもの、社会と繋がる方法である。常連客の明里(金澤美穂)と圭介(渡辺大知)の恋を応援するためにありすはビーフシチューを作った。熱で性質が変わるタンパク質でお肉はじっくり煮込むと柔らかくなっていく。ありすはその変化を2人の関係性の変化になぞらえて説明し、本人曰く、「さりげなく」人参をハート型にしていた。そのかいもあり、明里と圭介は晴れてお付き合いをすることになった。

 そんなありすの料理を真似したいなと思ったら、公式SNSや公式サイトを見てみるのがおすすめだ。そこには放送終了後、毎回、印象的なメニューのレシピが紹介されている。3月下旬にはドラマの公式ガイドとしてレシピ本となる『ありすのやさしいごはんレシピ』が発売される。

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