杉田雷麟×寛一郎『プロミスト・ランド』特報映像公開 小林薫、渋川清彦ら新キャストも

『プロミスト・ランド』特報映像&場面写真

 杉田雷麟と寛一郎が主演を務める映画『プロミスト・ランド』の公開日が6月29日に決定。あわせて三浦誠己、占部房子、渋川清彦、小林薫の出演が発表され、特報映像と場面写真が公開された。

 本作は、歴史小説のジャンルで名を馳せる作家・飯嶋和一のデビュー作で、第40回小説現代新人賞を受賞した同名小説を38年の時を経て実写映画化するもの。2023年4月に公開された阪本順治監督『せかいのおきく』に続く「YOIHI PROJECT」第2弾となる本作では、自然と共に生きるマタギの文化をテーマに、消えつつある伝統文化の継承が、2人の若者の物語を通して描かれる。脚本・監督を務めるのは、阪本監督らの元で研鑽を積んだ新鋭・飯島将史。飯島は、本作の舞台となる山形県庄内地方のマタギ衆に密着したドキュメンタリー『MATAGI』(2023年)に続く本作で、長編劇映画デビューを飾る。

 舞台は春の東北、マタギの伝統を受け継ぐ山間の町。高校卒業後、家業の鶏舎を継いだ20 歳の信行(杉田雷麟)は、この土地の閉鎖的な暮らしに嫌気が差しながらも、流されるままに日々を送っていた。そんなある日、役所から今年の熊狩りを禁止する通達が届く。違反すれば密猟とみなされ、マタギとして生きる道を閉ざされてしまう。町のマタギ衆が落胆しながらも決定に従うなか、信行の兄貴分の礼二郎(寛一郎)だけは、ただ一人頑なに拒み続ける。後日、礼二郎から呼び出された信行は、二人だけで熊狩りに挑む秘密の計画を打ち明けられ……。マタギの誇りを貫くため、他を犠牲にしてきた若者と、古いしきたりや大人たちに反発しながらも、自分の生き方を見つけられずにもがく若者が、それぞれの思いを果たすため、2人きりで禁じられた熊狩りに挑むーー。

 『青春ジャック~止められるか、俺たちを2~』『福田村事件』『ガンニバル』などの杉田が信行役、『せかいのおきく』『首』『身代わり忠臣蔵』の寛一郎が礼二郎役でそれぞれ主演を務める。

 檜原のマタギ衆のひとりであり、息子の信行と事あるごとに対立する父を演じるのは、『ケイコ 目を澄ませて』やNHK連続テレビ小説『ブギウギ』などの三浦。信行の母を『偶然と想像』『はい、泳げません』などの占部が演じる。

 マタギ衆のひとりで、信行と礼二郎の良き理解者・田島役を演じるのは、『偶然と想像』『夜明けのすべて』などの渋川。マタギたちを束ねる親方・下山には、『Dr.コトー診療所』『首』の小林が扮する。

映画『プロミスト・ランド』特報映像

 公開された特報映像では、壮麗な自然の中、熊狩りへと向かう信行(杉田雷麟)と礼二郎(寛一郎)の姿が捉えられている。春の雪が残る広大な山を、熊を探して、ただ黙々と歩き続ける2人。やがて事態は急転し、緊迫した表情を浮かべる信行と、慌ただしく飛び立つ鳥たち、そして礼二郎が銃の引き金に指を掛ける様子などが捉えられている。また、映像ではセリフは一言もなく、木々のざわめきや鳥のさえずり、雪崩の地響きなど、古来より山とともに生き、自然を畏敬し、その恵みを頂いてきたマタギたちの世界を目・耳・体で感じられるようになっている。

 場面写真では、追加キャストとして発表された信行の父(三浦誠己)、信行の母(占部房子)、田島(渋川清彦)、下山(小林薫)の姿が確認できる。

 山形県大鳥地区を舞台に撮った本作について、三浦は「撮影中に大自然の中で己の無知さを感じ、撮影を終え戻った大都会でジクジクと考えさせられました」と明かし、占部は「出来上がった映画は、地球から聞こえる脈動、循環する命の中にいつの間にか取り込まれたような驚きの体験をくれるものでした」と映画のスケール感を絶賛。渋川は「飯島監督は人柄も相まって見事に飯島作品を創りあげた」と監督の手腕を讃え、小林はロケ地に入った際のエピソードを披露しながら「ここに住む人たちの強靭さ、自然との向き合いかたにジーンと感動した」と、それぞれ思いのこもったコメントを寄せた。

コメント

三浦誠己(信行の父役)

撮影中に大自然の中で己の無知さを感じ、撮影を終え戻った大都会でジクジクと考えさせられました。
眼差し。息遣い。言霊の数々。
我々人間はたくさんの忘れ物を取りに戻らなければならないのかもしれません。
土の匂い。風の音。雪の眩しさ。鉄の重み。血の味。そして輝きを放つ主演の若き二人。
是非是非、劇場で感じて下さい!

占部房子(信行の母役)

初めて脚本を読ませて頂いた時は、壮大な風景の中で生きる若い命の物語に単純にワクワクしていました。しかし、出来上がった映画は私が想像した「壮大」をひらりと飛び越え、地球から聞こえる脈動、循環する命の中にいつの間にか取り込まれたような驚きの体験をくれるものでした。これからご覧になる皆さんが『プロミスト・ランド』にどんな風景をみるのかとても楽しみです。沢山の方に届きますように!

渋川清彦(田島役)

初めて映画を撮る監督の初期衝動に俺はのりたい。それが助監督の時から知っていて好きな奴だとなおさらだ。誘われなかったら少し嫉妬する。『プロミスト・ランド』の脚本を読み、これできるの?と思うくらい言葉での表現は美しいし面白いが映像にするのは大変だと思った脚本だった。飯島監督は人柄も相まって見事に飯島作品を創りあげた。飯島監督、誕生おめでとう。大変な道だと思うが、これからも期待してます。最後に、現場でフリーズしたごとく長考している飯島監督の姿、なんか好きです。

小林薫(下山役)

ロケ地の朝日岳の麓というのかな大鳥集落。
ここから先はさすがに人家もないというところで、時間もあったので近くを散策して驚いた 未舗装の林道を山に向かって歩き出したのだが
大量の雪がまだ残っているのだ
道と言っても、そこかしこに残っている雪が解けだし川のようになっているところもある
東京では真夏日のような気温も記録するゴールデンウィーク最中の時季にだ
撮影で山林の中に入ってまた驚いた
雪渓のようになった雪が場所によって、50センチくらいの深さになっている
冬の厳しさ感じないわけではないが、ここに住む人たちの強靭さ、自然との向き合いかたにジーンと感動したロケでした

■公開情報
『プロミスト・ランド』
6月29日(土)より、ユーロスペースほか全国順次公開
出演:杉田雷麟、寛一郎、三浦誠己、占部房子、渋川清彦、小林薫
原作:飯嶋和一『プロミスト・ランド』(小学館文庫『汝ふたたび故郷へ帰れず』収載)
脚本・監督:飯島将史
製作:FANTASIA Inc./YOIHI PROJECT
制作プロダクション:ACCA/スタジオブルー
配給:マジックアワー/リトルモア
©︎飯嶋和一/小学館/FANTASIA
公式サイト:www.promisedland-movie.jp
公式X(旧Twitter):@promisedlandmov

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