水上恒司は“目”で愛を表現する 新たな代表作となった『ブギウギ』愛助を生き抜いて
『青天を衝け』平九郎を思い出す愛助の壮絶な最期
#水上恒司 さんは病室でのシーンの撮影中、人を寄せ付けないくらいにとても集中されていました。
愛するスズ子さんの出産が近づくなか、いっこうによくならない自分の身体…焦り、絶望…
「村山愛助」と向き合う水上さんの思い、みなさんに伝わっているのではないでしょうか。#ブギウギ pic.twitter.com/lmYDqzuOz1
— 朝ドラ「ブギウギ」公式 (@asadora_bk_nhk) January 31, 2024
凄絶だったのは、死の間際。最後の希望を託すように、愛助は筆をとる。その眼差しは、まさに蝋燭の火が絶える直前、大きく燃えさかるかのごとくだった。生命力とはまた違う。ただ強い意志だけが愛助の腕を動かしている。そんな瞳だった。
NHK大河ドラマ『青天を衝け』でも、数多の砲弾を浴びながら自ら腹を切る尾高(渋沢)平九郎の“武士”としての最期を壮烈に演じ切った。俳優・水上恒司にとって命こそが演技の種火とも感じるような場面だった。愛助の最期は、そんなかつての名場面をも思わせる気迫がみなぎっていた。
物語はあと2カヶ月を残しながら、愛助はここで退場となる。でもきっと最終回を迎えたとき、多くの人がツヤ(水川あさみ)や六郎と共に愛助のことも思い出すだろう。それは、水上恒司が愛助として生き抜いた何よりの証拠だ。
水上恒司として再出発を遂げたのが2022年の9月。1年余りの月日の中で、水上は周囲の予想を大きく上回るような活躍を見せた。愛助は、これまでのキャリアの一つの集大成と言っていいだろう。『中学聖日記』の黒岩くんから、『あの花〜』の彰、そして愛助と、水上は新たな代表作を手に入れた。
だが、それもまたあくまで通過点。『あの花〜』で第47回日本アカデミー賞 主演男優賞を手にし、さらなる飛躍の足がかりを得た。
名は体を表すという。本名の恒司の由来は、恒星。恒星のように自ら光を放ち、周りを司ってほしいという願いを込めて名づけられた。その名の通り、まばゆい光を放ちながら、水上恒司は次なる舞台へと歩み出す。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、生瀬勝久、小雪、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
語り:高瀬耕造(NHK大阪放送局アナウンサー)
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
音楽:服部隆之
主題歌:中納良恵 さかいゆう 趣里 「ハッピー☆ブギ」
写真提供=NHK
公式サイト:https://nhk.jp/boogie