反町隆史、これまでにない役柄で感じた演技の醍醐味 現場への向き合い方の変化を明かす

反町隆史、『グレイトギフト』での挑戦語る

 「優柔不断」「オタク気質」「うだつが上がらない」。木曜ドラマ『グレイトギフト』(テレビ朝日系)で主演の反町隆史が演じる役柄が発表されたとき、そのキャラクター設定は驚きとともに受け止められた。

 『GTO』(カンテレ・フジテレビ系)、『相棒』(テレビ朝日系)で知られる反町が新たに挑むのは、黒岩勉オリジナル脚本による“ノンストップサバイバル医療ミステリー”。反町は、未知の殺人球菌「ギフト」の発見によって、権力争いに巻き込まれる病理医・藤巻達臣を演じる。

 「役者としてすごくハードルが高い」という本作のやりがいや、年齢を重ねて変化してきたという現場への向き合い方について反町に聞いた。(編集部)

『グレイトギフト』藤巻は等身大の自分から遠いキャラクター

――本作の印象を聞かせてください。

反町隆史(以下、反町):最初に台本を読んだときには、「こんなになっちゃうの!?」というのが一番の感想でした。本当に衝撃的な出来事が1話1話繋がっているので、その中で主人公の藤巻というキャラクターをどう出そうかな、というのがまずありましたね。サバイバル医療ミステリーということで、ただの医療ドラマではないミステリアスなところがあって。こういったテイストの作品はあまりやったことがなかったので、撮影に入る前からすごく楽しみにしていました。

――もともと黒岩勉さんの作品には、どんな印象がありましたか?

反町:この間の福山雅治さんの作品(『ラストマン-全盲の捜査官-』/TBS系)もそうですが、内容がすごくうまく回収できていますよね。ドラマって9話や10話の中で、セリフも、出来事も、内容も、何かを放りっぱなしということが実はあったりするんです。それを黒岩さんの作品では、一つ一つ丁寧に回収できている印象です。今回のドラマでも、「これはどうやって回収するんだろうな」と思っていたら、次の話できちっとその解が出てきて、それをうまくストーリーに着地させるというのが、とても素晴らしいなと思っています。

――ちなみに今回は、まだ反町さんも結末はご存知ない?

反町:そうですね、まだ知らないです。

――これまでにない役柄とのことですが、事前に準備されたことや現時点での手応えは?

反町:役を演じるにあたって、大きく分けると2つあるのかなと思っていて。ひとつは、今回の藤巻のように自分にはあまりない設定で、自分自身が100%で向かっていかなきゃいけない役。もうひとつは、なんとなく等身大の自分に近かったりして、多少なりとも自分に引き付けることができる役。藤巻というキャラクターは僕にはまったくない(性格の)役なので、僕自身が藤巻に向かっていかなきゃいけない。その部分がうまく出たり、伝わったりすればいいかなと思います。またそこが、演じる上での醍醐味だったりもするんじゃないでしょうか。

――役に向かっていくとは、具体的に?

反町:セリフの言い方や目線とかですかね。1話、2話の藤巻は、人の目を見て話すようなタイプではなく、ずっと寡黙というベースがあって。自分からの発信がないので、そういう部分ではちょっと変わっているキャラクターではあるのかなと思います。

――本作にやりがいを感じているところも教えてください。

反町:「あれ? これはどう演じようかな」というシーンが結構出てくるんですよね。状況と設定とセリフを考えたときに、「どうしようかな」というところがあって、一つ一つをサラッとやらせてくれないというか。だから、役者としてすごくハードルが高いです。僕以外の(佐々木)蔵之介さんが演じる役とかもそうですけど、難しい役なんですよね。一人ひとりの役の振り幅がものすごく広いので、一筋縄に芝居させてくれないな、という印象があります。

――藤巻はオタクっぽいキャラクターとのことですが、そのあたりについてはいかがですか?

反町:病理医がどういうものなのか僕にはまったく想像できなかったので、監修してくださっている先生のところへ行って、いろいろと説明を受けたり、いただいた本を読んだりしながら、まずは病理医がどういうものなのかを自分の中で感じることが大事かなと思っていました。監修の先生を見た僕の勝手な印象なんですが、“死”と向き合う仕事ですし、おそらく本当に好きじゃなければできないだろうな、というのがあって。役を作る上で、そこを理解することが最初の難しいところではありました。藤巻は顕微鏡オタクで、本当に病理医というものに誇りを持っている人間。またその誇りを持った人間が、やむを得えず“ある判断”をしなきゃいけない葛藤のツラさを1話、2話では出したいなと思っていました。ただ、黒岩さんの台本はいろんな展開が起きるんですけれども、主人公に“どんなテーマがあるのか”はわかりやすく書いてあるので、そういう部分では役者としてやりやすいなと思っています。

――反町さん自身が突き詰めているものはありますか?

反町:僕もアウトドアが好きだったり、ゴルフが好きだったり、釣りが好きだったり、いろいろと好きなことはあるんですけど、自分なりに趣味を突き詰めるのはすごく大事なことだなと思っています。やっぱり突き詰めたら突き詰めたなりの考え方とこだわりが持てて、それにプラスして自分のモチベーションにも繋がる。ただ単に「趣味なんですよ」では、成長というものがないですよね。今回の藤巻みたいに、とことん自分の好きなものを突き詰めることで、また勉強していきますから。それをやり続けたことによって、自分というものが少しは理解できるのかなと思います。

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