『厨房のありす』が教えてくれる“相手を尊重すること”の大切さ 永瀬廉の姿に泣けてくる

『厨房のありす』相手を尊重することの意味

 家族や友達、恋人。どんな関係であっても、相手を尊重する気持ちを忘れてはいけない。それは多様性が叫ばれる現代社会の共通認識になりつつある。

 だけど、相手を尊重するってどういうことなのだろう。分かったつもりで、意外と曖昧に解釈している尊重とは何かについて、『厨房のありす』(日本テレビ系)第2話で同居生活をスタートさせたありす(門脇麦)と倖生(永瀬廉)から教わったような気がした。

厨房のありす

 ありすが店主を務める小さな料理店「ありすのお勝手」で、住み込みで働くことになった倖生。ありすと心護(大森南朋)が暮らす家にいきなり転がり込んだ身として、肩身が狭い部分もあるのだろう。気を遣って家のことをやろうとするが、その度にありすから指摘が入る。自閉スペクトラム症のありすには、調味料の並べ方やテーブルを拭く手順など、いろいろとこだわりがあるのだ。しかも、毎日同じではなく、曜日ごとに定めているルールもあって覚えるのは簡単じゃない。

 倖生には知らないことがたくさんあり、大きな音にパニックになっているありすの耳を後ろから塞いで余計に混乱させてしまうことも。そんなことが続き、落ち込む倖生だったが、ありすの親友・和紗(前田敦子)からの言葉にハッとさせられる。

「努力がいるんだよ、信頼されるのって」

厨房のありす

 倖生とありすの間にまだ信頼関係がないのは、考えてみれば当たり前だ。そこには“歴史”がないから。ありすは心護や和紗を信頼しているが、その関係も昨日今日で築けたわけじゃない。和紗がいじめっ子の優作(前原瑞樹)から助けてくれたこと、心護が自分のペースで働ける場所を与えてくれたこと。そういう長い年月で見てきた2人の行動が、「この人は私を尊重してくれている」というありすの安心や信頼に繋がっている。心護が、ありすと一つ屋根の下で暮らす倖生を警戒するのだって、まだ知り合って日が浅く信頼関係が築けていないからだ。

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