『勇気爆発バーンブレイバーン』は“ロボットアニメ”をアップデートする一作になる予感
2024年に入り数多くの新作テレビアニメがスタートする中、あまりに強烈なインパクトで一気に注目の話題作となったのが、TBS系列局でスタートしたロボットアニメ『勇気爆発バーンブレイバーン』だ。
ベタなロボットアニメ感全開のタイトルながら、事前に公開された情報やビジュアルが指し示すのは軍隊がロボット兵器を運用する世界が舞台のリアル系ミリタリーロボットアニメ。しかし、監督は豪快なパースやアクションでアニメロボットの力強い姿を描いてきたベテランクリエイター・大張正己。いったいどんな作品なのかまったく不明のまま放送日を迎えた同作だったが、第1話を観た多くのアニメファンはその想像を超えた展開に度肝を抜かれることになった。
舞台は各国の軍隊でロボット兵器「ティタノストライド」が当たり前に運用される世界。自衛隊所属パイロットの主人公イサミ・アオは、ハワイで行われる各国との合同演習では大胆な戦いぶりを見せて、アメコミやアニメのヒーローに憧れるアメリカ軍パイロットのルイス・スミスに一目置かれる。だが、宇宙より突然飛来した謎の敵「デスドライヴズ」が全世界に攻撃を開始。地球側の現用兵器がまったく通じない未知の敵を相手に始まった突然の実戦に、イサミは演習時とは打って変わって弱々しい一面を見せてしまう……。
演習地がハワイということもあり、この時点ではコアな層に人気のハリウッド映画『バトルシップ』のような、強大な侵略者に人類が残された武器と知恵で立ち向かうスペクタクルなのかと予想する視聴者も多かったが……それをいい意味で盛大に裏切ったのが、イサミの危機に突如現れたヒーローシルエットのロボット・ブレイバーン! イサミを守るためにいずこから飛来し、彼を半ば強引に乗り込ませるとカラフルな色彩をまとい、フェイスカバーが開いて顔が出現。その姿はかつて人気を博したサンライズの「勇者シリーズ」の系譜を感じさせるものだ。
そんなブレイバーンとイサミがハワイに現れた敵に立ち向かうが、その戦い方はあまりにも鮮烈! 戦場で自ら唄うテーマソングを流し(放送後の監督のXでのポストによれば、声優の「さっきから何なんだこの歌は!」というアドリブを活かすため、コクピット内では歌が曇って聞こえるよう調整されたとのこと)、「ズバババーン!」と叫びながら剣で敵を撃破したあげくに必殺技名を叫びながら敵の母艦を撃破するという暴れっぷりで、軍が全く歯が立たなかった謎の敵を撃退してみせる。
CGながらも手描きアニメのような質感とアクション描写など、ロボットアニメとしてはハイテンションで燃えるクライマックスではあったが、同時に視聴者の予想していた作品のリアリティラインを豪快にぶっ壊し「これからどうなるんだこのアニメ?」と鮮烈なインパクトも与えてみせた。まるでブレイバーンという理解不能な存在が突然現れて困惑させられる劇中の登場人物たちの心境を体感するかのように。