亀梨和也、『大奥』でひときわ輝きを放つ 視聴者の心を射抜いてきた優しさと誠実さ

 「蛇のように冷たい目」が印象的だった徳川家治(亀梨和也)。だがその心の奥には温かい灯がともっているはずだ。約20年の時を経て連続ドラマとして復活した『大奥』(フジテレビ系)は、その豪華絢爛な衣装、全編京都ロケによる迫力のある景観、そして豪華なキャストが織りなす物語からは、改めて未だ色褪せない魅力が感じられた。そんな中、家治を演じた亀梨和也はひときわ輝きを放っていた。

 亀梨は、2005年に『ごくせん』第2シリーズ(日本テレビ系)でメインキャストの小田切竜役で大ブレイク。放送当時は職場や学校に行けばドラマの話題で持ちきり。共演者の赤西仁と並び、それぞれの演じたキャラクターについて「仁と亀、どっち派?」などと毎日のように話題になっていた。この時、亀梨はKAT-TUNのCDデビュー前にもかかわらずソロでドラマの挿入歌「絆」を担当し、音楽番組でも歌唱。亀梨自らが作詞したせつなく胸に響く歌詞や歌声がドラマのキャラクターや雰囲気とも合致し、さらに大きなブームを巻き起こす。

亀梨和也、『正義の天秤』で際立つ目の演技 年齢とともに演技の幅はさらに拡大?

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 同年10月には『ごくせん』に続き『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ系)にも出演し、桐谷修二役でさらなる注目を浴びることになる。ここでは共演の山下智久と共に「修二と彰」名義で番組主題歌の「青春アミーゴ」を担当し、このCDがミリオンセラーを記録。アイドルグループとしてのCDデビュー前にもかかわらず、持ち前の華やかさと芝居の力は多くの人に知られるところとなった。その翌年の2006年にはKAT-TUNとしてCDデビューし、俳優としての活躍だけでなく、アイドルとしても凄まじい勢いを見せつけることに。その後も『サプリ』(フジテレビ系)、『たったひとつの恋』(日本テレビ系)、『1ポンドの福音』(日本テレビ系)、『ヤマトナデシコ七変化』(TBS系)、『妖怪人間ベム』(日本テレビ系)、『怪盗 山猫』(日本テレビ系)、『FINAL CUT』(カンテレ・フジテレビ系)など実に多くの主演作が続き、スターの座を駆け上がることになる。

 これだけの活躍を見てもわかる通り、亀梨は『大奥』の舞台に相応しい経歴と華やかさを兼ね備えた人物だ。豪華なセットやロケーション、まばゆいばかりの衣装の中でも自分の芝居と身のこなしでパッと目を引くことができる。まさに第1話ではそうした威厳を感じさせる存在感を見せたのではないだろうか。多くを語らず、媚びるところのないクールな姿は、冒頭でも記したように、倫子(小芝風花)から「蛇のように冷たい目」と例えられたことにも通ずる。

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