神木隆之介、高橋一生、稲垣吾郎、磯村勇斗ら 2023年に大活躍した男性俳優たち

磯村勇斗&東出昌大

 傑作の誕生に貢献し、一つひとつの作品を底上げする役割を担ったのは磯村勇斗と東出昌大。磯村は『東京リベンジャーズ2 血のハロウィン編』などの大作に参加するいっぽうで、『波紋』、『渇水』、『月』、『正欲』といった作家性の強い作品にも出演。ジャンルや作品の規模感を問わずバランスよく活動を展開するのはこれまでどおりの彼のスタイルだが、今年はその振れ幅が顕著だった。2024年は2年ぶりの主演映画『若き見知らぬ者たち』の公開も控えており、さらなる柔軟な活躍に期待が高まる。

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 主演を務めた『とべない風船』の公開とともに2023年がスタートした東出は、『Winny』、『福田村事件』、『コーポ・ア・コーポ』に出演。改めて作家たちに愛される俳優なのだと証明した1年だっただろう。そしてこの流れは2024年も続いていく。いまの彼の生き方や考え方に迫ったドキュメンタリー映画『WILL』も公開されるとあって、誰もが“俳優・東出昌大”を再発見する1年になるはずである。演劇作品『ハイ・ライフ』でのアクロバティックな話芸も素晴らしかったので、ぜひ舞台にもコンスタントに立ち続けることを願いたい。

高橋一生

高橋一生は、映画『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』で気品あふれる佇まいと特異な話芸で魅せたかと思えば、NODA・MAP『兎、波を走る』では舞台上を全力で駆け回っていた。彼は圧倒的なフィクションの世界を彷徨いながら、そこにたしかに存在する“モノ=切実な主題”を私たちへと差し出すことのできる稀有な俳優だ。すでにベテランの域にある存在だとは思うが、2024年も彼の挑戦的な活動を追いかけたい。

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稲垣吾郎

 稲垣吾郎は、映画『正欲』、Netflixシリーズ『幽☆遊☆白書』、さらには『サンソン -ルイ16世の首を刎ねた男-』と『多重露光』という2つの演劇作品に出演し、2023年のエンタメ・シーンを牽引した。しかも、どこか浮世離れしていたり、自身の正義が絶対的なものだとするキャラクターたちは、いまだその実像を掴みきれない稲垣本人のキャラクターとも重なった。つまりはどれもがハマり役だったわけである。2024年は俳優としてどんな扉を開くのだろうか。

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浜田信也

 最後はこのひとり、浜田信也である。イキウメの看板俳優である彼は、演劇ファンにとっては誰もが知る俳優だが、今年は一気に彼の存在が世に知られることになったのではないだろうか。

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 映画『遠いところ』やドラマ『いちばんすきな花』(フジテレビ系)など映像作品への出演が増えたことはもちろん、特に大きいのは『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)で物語後半の展開を支配してみせたからだ。同作で初めて浜田と出会ったという視聴者も多いのではないだろうか。

 だが、もちろん彼は新人俳優などではない。圧倒的な技量とセンスを持った演技者だ。イキウメの新作公演『人魂を届けに』や、イキウメ主宰の前川知大が世田谷パブリックシアターとタッグを組んだ『無駄な抵抗』での演技も、ため息の出る美しさだった。セリフ回しも身のこなしも流麗なのだ。映像作品への出演の機会は確実に増えるのだろうが、やはり舞台上の浜田信也を追いかけ続けていきたい。

 苦渋の選択の末、以上の10名について記してみた。この2023年は“これから”が期待の若手俳優ともたくさん出会ったのだが、やはりどうしたって経験値に勝るものはないらしい。あなたが2023年を振り返ったとき、そこにはどの男性俳優が立っているだろうか。そして2024年は、どんな新しい才能と出会えるのだろうか。

■公開情報
『ゴジラ-1.0』
全国東宝系にて公開中
出演:神木隆之介、浜辺美波、山田裕貴、青木崇高、吉岡秀隆、安藤サクラ、佐々木蔵之介ほか
監督・脚本・VFX:山崎貴
音楽:佐藤直紀
制作プロダクション:TOHOスタジオ、ROBOT
配給:東宝
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公式サイト:https://godzilla-movie2023.toho.co.jp
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