『ブギウギ』スズ子と愛助の恋はさらに燃え上がる! 朝ドラで描かれる“許されざる恋”

『ブギウギ』朝ドラで描かれる許されざる恋

 NHK連続テレビ小説『ブギウギ』の第11週となる「ワテより十も下や」が放送された。今週は、初登場した愛助(水上恒司)の存在感が光っていた。スズ子(趣里)との出会いから、村山興業の御曹司であることの発覚、そしてスズ子より9歳も年下であることなど、とてつもないスピード感で愛やら恋にまつわるエピソードが舞い込んだ。だがスズ子は歳の差を気にしてなかなか踏み込めずにいる。その上、2人を取り巻く人々もこの恋を歓迎しようとはしなかったのだ。

 スズ子と愛助の関係は、周りにとっていわば“許されざる恋”なのだろう。なんと言っても愛助はまだ学生。それにスズ子の言うとおり、年齢も10歳近く離れている。加えて村山興業の御曹司ともなれば、身分の違いも。だが愛助を演じるのが水上恒司となると、そこに禁断の恋を乗り越える魔力を感じずにはいられない。水上を語るに、彼のデビュー作である『中学聖日記』(TBS系)での教師と教え子の恋は外せないだろう。あのときも水上は役の上で、年上女性への強い想いを貫き通した。水上の真っ直ぐな瞳は、頑なに「それ以上は進めません」と意思表示する女性をいつの間にか虜にして引き寄せる魅力があるのだ。その筆舌に尽くしがたいピュアさと色気の融合は、『ブギウギ』の愛助役でも大いに武器となっている。

 近年の朝ドラにはこれまでも“許されざる恋”が描かれてきた。そこで真っ先に思い出すのが『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)における、安子(上白石萌音)と稔(松村北斗)の恋だ。片や岡山有数の繊維会社の跡取り息子、片や商店街の和菓子屋の看板娘。今以上に家同士の釣り合いを気にする時代でもあり、2人の恋は身分違いだと反対されていた。やがて戦況が悪化する中で、稔の出征が決まった時に初めて2人の仲は認められたのだ。短い夫婦生活しか送れずに、稔は戦地に行ったまま帰らぬ人となってしまった。『カムカムエヴリバディ』は身分違いの恋に戦争まで重なることで、忘れられないほどシビアな恋を描いていた。

『らんまん』綾と竹雄のまっすぐで美しい歩み 佐久間由衣&志尊淳に最大の賛辞を贈る

いよいよ最終週を迎えた『らんまん』(NHK総合)。第24週、第25週とそれぞれの“再出発”とも言えるターニングポイントが描かれた…

 身分違いの恋といえば『らんまん』(NHK総合)の竹雄(志尊淳)の秘めたる思いも。由緒ある造り酒屋のお嬢様と使用人という関係から、竹雄は綾(佐久間由衣)への恋心を口にすることなく心の奥底に封じ込めていた。時は明治時代、奉公先の娘を好きになったなどと言うことすら難しかったに違いない。だが、竹雄は綾に真っ直ぐに思いを伝え、2人は幸せな結婚生活を送ることになる。力を合わせながら夢をかなえ、末永く笑顔で暮らした。こちらは身分違いの恋といえども、障壁を乗り越え幸せを掴み取ることができたのだ。

 身分の違いや年の差など、“許されざる恋”というものには成就するまでに乗り越えなければいけない大きな壁がある。いざ夫婦になってからも、一生添い遂げられるかというと、そこにも事情があったりするものだ。一方で、この障壁が恋を後押しするというドラマチックな展開も期待できる。村山興業東京支社長の坂口(黒田有)の言葉を聞き、愛助との間に割って入ったスズ子は、すっかり勢いづいた様子。2人の恋はますます燃え上がっていきそうな気配がする。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK

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