草彅剛、新納慎也、菊地凛子 『ブギウギ』東京編を盛り上げた3人の“演技超人”

 この3人の俳優には共通点がある。近年のNHK大河ドラマにおいて、それぞれ重要な役を担っていたということだ。

 草彅剛は『青天を衝け』(NHK総合)において、徳川幕府最後の将軍・徳川慶喜を演じた。一見クールに見えながらも、実は家臣思いの心優しい将軍様だった。一の家臣であった平岡円四郎(堤真一)の死の際の、雨でずぶ濡れになりながらの号泣が忘れられない。

 新納慎也は『鎌倉殿の13人』(NHK総合)において、源頼朝(大泉洋)の弟である僧・全成を演じた。コメディリリーフ的な役回りながらも、捕らえられてなお、愛する妻に「誰も恨んではいけないよ」と言える心の優しさに涙した。そして、処刑される際の天変地異には戦慄した。

 菊地凛子は、同じく『鎌倉殿の13人』において、主人公・北条小四郎義時(小栗旬)の最後の妻であるのえを演じた。こののえは、小四郎を毒殺する言わばラスボスである。小四郎と出会った頃の、キノコ好きのぶりっ子を演じるあざとさ、そして、毒を盛っていたことがバレた際の開き直りに恐怖した。

 この3人がひしめく東京編は、あまりにも贅沢であり、それはそれは面白かった。だが第二次世界大戦勃発に伴い、梅丸楽劇団の表現は、大きく制限されつつある。戦時中のエピソードに、どれだけの尺を割くのかはわからない。今はただ、スズ子が心置きなくバドジズデジドダ出来る日が、再び来ることを願う。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『ブギウギ』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:趣里、水上恒司、草彅剛、蒼井優、菊地凛子、水川あさみ、柳葉敏郎ほか
脚本:足立紳、櫻井剛
制作統括:福岡利武、櫻井壮一
プロデューサー:橋爪國臣
演出:福井充広、鈴木航、二見大輔、泉並敬眞、盆子原誠ほか
写真提供=NHK

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