朝ドラ『ブギウギ』になぜ世界的な演出家が? 宮本亞門が担う特別で重要な役どころ

 新たな仲間たちとともに、「梅丸楽劇団(UGD)」の旗揚げ公演を見事に成功させたヒロイン・スズ子(趣里)。第6週のクライマックスに用意されていた踊りと歌は圧巻だった。「梅丸少女歌劇団(USK)」のレビューも素晴らしかったが、あれとはまったく異なるダイナミックなパフォーマンスに多くの視聴者が見惚れたことだろう。そんな朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合)である。

 スズ子の東京での生活はまだはじまったばかりで、これからさらに新キャラクターが登場する。宮本亞門が演じる藤村薫もそのうちのひとりだ。

 この藤村という男は作詞家である。それも、番組公式サイトの人物紹介ページには「破天荒な天才作詞家」とある。

 スズ子が住む下宿の女将・小村チズ(ふせえり)や屋台の店主・伝蔵(坂田聡)、外国帰りの演出家・松永大星(新納慎也)、UGDの制作部長・辛島一平(安井順平)、ダンサー・中山史郎(小栗基裕)、そして作曲家・羽鳥善一(草彅剛)と、すでに個性的なクセのあるキャラクターばかりの「東京編」。スズ子が藤村の破天荒ぶりにどのように翻弄され、それをどう乗り越えていくのかが注目ポイントだろう。

 そもそも、『ブギウギ』のキャスト発表時に宮本の名前があったことに驚いた。彼の肩書きは「演出家」だからである。朝ドラはもちろんのこと、ドラマに出演するのはこれが初めてだ。

 ストレートプレイにミュージカル、オペラ、能、歌舞伎、和太鼓のショーなど、あらゆるパフォーミング・アーツの演出を国内外で手がけてきた宮本。日本固有のカルチャーも、彼の手にかかれば世界の共通言語になる。世界中でその名を知られる日本の演出家のひとりだ。

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