朝ドラ『ブギウギ』三林京子は“朝ドラのグランマ”だ 趣里は何を継承され成長するのか
放送中の朝ドラ『ブギウギ』(NHK総合)では、ヒロイン・スズ子(趣里)の知られざる出生の秘密が明らかになった。これを示唆する情報からうすうすは感じていたものだが、実際に差し出された真相に、視聴者の誰もが胸を締めつけられたことだろう。そんなパートをどっしりと構えて見守るのがスズ子の祖母・大西トシの存在だ。演じるのは三林京子である。
弟の六郎(黒崎煌代)から自分たちは本当の姉弟ではないのかもしれないと言われ、心がザワついていたスズ子。そんな折、父・梅吉(柳葉敏郎)と母・ツヤ(水川あさみ)の故郷である香川へと向かうことになった。「白壁の大きな家」で行われる法事に、なぜか出席するためだ。この土地の顔役の者の家である。
幼少期ぶりに香川を訪れたスズ子たちを迎えたのが、三林が演じるトシだった。ツヤの母であり、スズ子と六郎の祖母でありながら、長いこと会えていなかったらしい。けれどもスズ子が本来持っている底抜けの明るさと、トシの包み込むような優しさとが合致。空いてしまった長い時間を感じさせない賑やかな再会となった。
むろん、これはそれぞれのキャラクターがそのときに持っている心情を体現する俳優の存在があってこそのもの。脚本をそのままなぞるだけでは、二人の愛情が感じられる瞬間までは表現しきれないだろう。趣里と三林京子という二人の俳優のパフォーマンスが生み出した、紛れもない祖母と孫娘の時間なのである。