朝ドラ『ブギウギ』趣里が牽引したラインダンス撮影秘話 大和と橘には第5週で衝撃展開?

『ブギウギ』ラインダンス撮影秘話を聞く

 NHK連続テレビ小説『ブギウギ』が現在放送中。“ブギの女王”と呼ばれる笠置シヅ子をモデルに、大阪の銭湯の看板娘・花田鈴子=福来スズ子(趣里)が戦後のスターへと上り詰めていく姿を描く。

 これまでにも梅丸少女歌劇団(USK)による本格的なレビューシーンが話題を呼んできた本作だが、第18話では大和礼子(蒼井優)の発案によって練習を重ねてきた圧巻のラインダンスで視聴者を魅了した。

 ラインダンスの練習は、他のダンス練習と並行するかたちで今年1月からスタート。制作統括の福岡利武は「趣里さんはじめ、キャストのみなさんはダンスがとても上手な方ばかり」とした上で、「横並びで行うラインダンスだけでなく、そこに至るまでのパフォーマンスも非常に丁寧に作られている」と説明する。

「ダンスシーンは全部で2分ほどありますが、階段を踊りながら降りるところから本当に難しいんです。降りた後にも複雑なフォーメーションが組まれていて、なおかつラインダンスがスタートすると、ステップを踏みながら前に移動していきます。一つひとつのステップを覚えるところから始まり、全体の踊りを作っていくのは非常に大変な作業でみなさん本当に頑張ってくださいました」

 練習の支えとなったのは、やはり主演である趣里の存在だった。福岡は「趣里さんが稽古は精一杯頑張る、リハーサルには全力で臨むという姿勢を示してくださったので、みなさんが真剣に、同じ方向を向いて本番に臨むことができたと思います」とし、「見事に引っ張っていただきました」と賛辞を送る。

 「ラインダンスは見るからにキツさが伝わってきますが、みなさんが団結してくださったおかげですばらしいダンスシーンが撮影ができました」と福岡。収録後には、息をゼェゼェと切らしながらも、なぜかみんなで笑ってしまう。キャストたちの中に、そんな一体感が生まれていたという。

「ご本人たちにとっても非常に達成感がある、見事なステージになったと思います。台本上は『笑顔でラインダンスを踊っている』という2行ほどのト書きですが、その2行を作るのがとても大変でした」

 一方、物語では「桃色争議」を経て勝ち取った待遇改善の代償として、大和がUSKを退団。ひいては男役トップスターの橘アオイ(翼和希)もが劇団を去るという重大な局面を迎えた。

 初登場時から、ただならぬオーラをまとう翼和希だが、実は今作でテレビドラマ初出演。ふだんはOSK日本歌劇団の現役スターとして活躍している。

 福岡は「翼さんは歌劇のお芝居のみならず、台本のお芝居もすごく達者で、ステージでのカッコよさはもちろん、ふだんの気取らない感じが魅力的だと思いました」と翼の起用理由を明かし、「OSKに入団されて10年以上、厳しい世界で活躍されている方なので、その厳しさを出す役をしっかりと演じてくださいました。橘役にぴったりな方だと思っています」と話した。

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