『SPY×FAMILY』Season2の主役はヨル? “ロイドとアーニャの物語”を超えて広がる世界
思い返してみると、ヨルはフォージャー家の一員として毎日寝食を共にしていたにもかかわらず、主役のような扱いを受けるエピソードは意外と多くなかったように思われる。Season1でヨルが活躍する機会がなかったわけではないが、必ずしも主役ではなく、ほかのキャラクターとの絡みで作品を盛り上げることが多かった印象だ。
Season1の前半では、彼女を溺愛する弟・ユーリを軸とした話。そして終盤では、ロイドの後輩である〈夜帷〉ことフィオナの目線から、フォージャー家におけるヨルの立ち位置が描き出されていた。
それに対してSeason2では、誰かの目線を介した話ではなく、ヨル自身の物語が増えていくことが予想できる。というのも放送前に公開解禁されたキービジュアルやPVなどでは、原作の「豪華客船編」がアニメ化されることが示唆されていた。原作を読んだ人なら分かるだろうが、これはヨルが主人公として大活躍する傑作エピソードだ。
また、さすがに穿ちすぎかもしれないが、新たなオープニング主題歌がAdoの「クラクラ」であることにも意味を見出したくなってしまう。『SPY×FAMILY』のオープニングで女性アーティストが起用されたのは今回が初のことである上、そのエネルギッシュな歌声は、可憐な見た目とは裏腹に無尽蔵のパワーを秘めた“いばら姫”の物語にぴったりだからだ。
なお、10月14日に放送されるMISSION:27の内容は、「ボンドの生存戦略」「ダミアンの野外学習」の2本立てとなる予定。とくに後半のエピソードに関しては、原作通りの展開であれば、フォージャー家があまり絡まない、サブキャラクター目線の珍しい話になるだろう。
ロイドとアーニャが牽引したSeason1とは少し趣向が変わり、より多くのキャラクターが物語の舞台に上がってきそうな予感が漂うSeason2。それによって、ただでさえにぎやかだった『SPY×FAMILY』の世界が、ますます楽しく豊かになっていきそうだ。この先どんな話が描かれることになるのか想像しつつ、次の放送を待ちたい。
■放送情報
TVアニメ『SPY×FAMILY』Season2
テレビ東京ほかにて、毎週土曜23:00〜放送
出演:江口拓也、種﨑敦美、早見沙織、松田健一郎、吉野裕行、甲斐田裕子、山路和弘、小野賢章、藤原夏海、加藤英美里、佐倉綾音
原作:遠藤達哉(集英社『少年ジャンプ+』連載)
監督:古橋一浩、原田孝宏
シリーズ構成:大河内一楼
副シリーズ構成:谷村大四郎、久尾歩
キャラクターデザイン・総作画監督:嶋田和晃
色彩設計:原恭子
美術設定:塩澤良憲、スタジオイースター
美術監督:臼井みなみ
3DCG監督:宮地克明
撮影監督:佐久間悠也
編集:齋藤朱里(三嶋編集室)
音楽プロデュース:(K)NoW_NAME
音響監督:はたしょう二
音響効果:出雲範子
制作:WIT STUDIO×CloverWorks
©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会
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