キム・ナムギルファン必見! 『剣の詩』の激しいアクションと美しい音楽に心奪われる
凄腕の女性殺し屋に扮するイ・ホジョン
女性の殺し屋、オンニョニを演じるのは、モデル出身でドラマ『分かっていても』でメインキャストに抜擢されたイ・ホジョンだ。
グァンイルからユンを殺すように依頼されたオンニョニは、ヒシンとも仕事で手を組み、ユンにとって腐れ縁といえる存在となる。両親を無残に殺されてから殺し屋として生きてきた彼女は、金をもらえば何でもやる冷酷な人物だが、受けた恩は忘れない律儀なところがある。
女性一人で何十人も倒してしまう凄腕の持ち主で、その鮮やかな戦いぶりに目を奪われる。ユンとの直接対決では迫力ある銃撃戦を披露し、ユンと協力し合って敵に立ち向かうシーンでは、息の合ったバディぶりを見せる。
ユンにとってオンニョニは、自分の命を狙う目障りな人物だが、彼女の殺し屋としてのスキルの高さを認めているふしもある。2人はタッグを組んで闘うことになる物語の後半では、ユーモアのあるやり取りをするまでの関係になるのだ。
お互い不遇な環境で生きてきたことで、同志として気持ちが通じ合っていく2人は、本作の中で強烈なスパイスとなって観る者を惹きつけていく。
ソヒョンが2つの顔を持つ心優しいヒロインに
ユンが心を寄せる女性、ナム・ヒシンを演じるのが、少女時代のメンバーとして活躍するソヒョンだ。
ヒシンは元両班で、朝鮮総督府鉄道局の課長という高い地位にいるが、親日家を装いながら、実は朝鮮独立運動に関わる人物だ。ユンは奴婢だった幼い頃、両班であるにも関わらず自分に手を差し伸べてくれたヒシンに心を奪われた。それ以来ずっと彼女のことを想い続け、独立軍を支援するため、危険なミッションに挑むヒシンをユンは命がけで守る。
切ないのは、ヒシンがかつてユンと会っていることを覚えていないことだ。ヒシンに「名前を教えてください」と言われ、寂しそうな目をするユンに胸が締め付けられる。しかし一緒に行動するうちに、ヒシンはかつてユンと会っていることを思い出すが、すでに2人が別れる瞬間が目前に迫っていた。
ヒシンは独立軍に会うために、ユンは仲間を救うために別々の道を行こうとする中、ユンはヒシンへのあふれる想いを抑えきれず、駆け寄りキスをする。なんとも悲しく切ないキスシーンなのだが、2人は必ず生きて再会しようと約束を交わす。
盗賊団の頭として射るような鋭い目つきを見せることが多いユンが、唯一優しいまなざしを向けるのがヒシンだ。愛おしそうにヒシンを見つめるユンに、多くのナムギルファンは胸がキュンとなることだろう。
このようにナムギルと共演者との相乗効果で、存分に楽しめる本作だが、終わり方にモヤモヤしたのは筆者だけではないだろう。ヒシンに会うため京城に来たユンが、間島に危機が迫っていることを聞かされ、ヒシンに会わずに間島へ戻るところで物語は終わってしまった。きっと続編があるに違いないと期待しながら、その時を待ちたいと思う。
■配信情報
『剣の詩』
Netflixにて独占配信中
出演:キム・ナムギル、ソヒョン、ユ・ジェミョン、イ・ヒョヌク、イ・ホジョン
脚本:ハン・ジョンフン
監督:ファン・ジュニョク