『らんまん』宮﨑あおいのサプライズ登場にも期待 朝ドラ“語り役”の出演を振り返る
「わしは一人じゃない。ひたすら野に行ったら、きっと誰かと歩けるき」
連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合)がスタートした時、誰がこんなにも壮大な冒険物語になると予想しただろう。これは日本に植物学の基礎を築いた牧野富太郎の単なる一代記ではない。彼の94年にわたる生涯をベースにしながらも、本作が描くのは槙野万太郎(神木隆之介)という1人の少年が植物を介してたくさんの仲間に出会い、共に多くのことを成し遂げて行く冒険記である。
それをまるで子供に絵本を読み聞かせるように語ってくれているのが、宮﨑あおいだ。感情を乗せるというよりも、一歩引いた視点から大事な物事を淡々と。それでいて登場人物への愛情がこもった優しい語りは耳に心地よく、忙しない朝を過ごす私たちに寄り添ってくれている。
そんな宮﨑は、昔からNHKの番組を観ている人にとってはかなり馴染みのある存在ではないだろうか。2006年には朝ドラ『純情きらり』(NHK総合)でヒロインの桜子役に抜擢された宮﨑。ジャズピアニストを目指しながら、戦禍の昭和を生きた桜子を演じる宮﨑の可憐さや、それでいて不思議な意志の強さを感じさせる佇まいが印象的だった。
22歳の時には歴代最年少で大河ドラマ『篤姫』(NHK総合)の主演を務めることに。その間たった2年ではあるが、天璋院篤姫の波乱万丈な人生を共に駆け抜けた宮﨑の役者としての成長ぶりに驚いた人も多かったことだろう。再び『あさが来た』(NHK総合)で朝ドラに帰ってきた時には、抑えた受けの芝居で作品全体を支える立場となっていた。他にも宮﨑はNHKのスペシャルドラマ『蝶々さん』や『眩〜北斎の娘〜』で主演を務めたほか、数々のドキュメンタリーでナレーションを担当している。そのことを踏まえれば、朝ドラの語りに抜擢されたのも必然と言わざるを得ない。
宮﨑あおいの出演作にみるチャレンジングな姿勢 『らんまん』“語り”は俯瞰的視点に期待?
主演・神木隆之介、ヒロイン・浜辺美波で、2023年度前期に放送される連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合)。その語りを宮﨑あお…
宮﨑の3度目となる朝ドラへの帰還には、SNSで喜びの声が多く挙がった。そして最終回が刻一刻と近づく中、もう一つ挙がっているのが、宮﨑の本編出演に対する期待の声である。というのも、朝ドラでは語り担当が物語の後半にサプライズ登場するケースが度々見受けられるからだ。