迫田孝也、『VIVANT』出演を語る 「最終話まで完走したいなと思っていたのですが……」
TBS日曜劇場『VIVANT』に出演した迫田孝也のインタビューコメントが公開された。
堺雅人が『半沢直樹』シリーズ(TBS系)以来、3年ぶりに日曜劇場の主演を務める本作は、『半沢直樹』シリーズなどを手がけてきた福澤克雄が演出だけでなく原作も手がける完全オリジナルストーリー。
迫田が演じたのは、乃木(堺雅人)の同期で丸菱商事・エネルギー事業部1課課長・山本巧。第4話では、山本がテントのモニターだったことが明らかになり、最後は乃木の手によって処刑された。
迫田は台本が「面白すぎて一気に読みました」と最初のインパクトを語る。
「作品自体に吸引力があり、とても惹きつけられたのですが、読み進めていくうちに『俺は死ぬんだな……』と気付きました(笑)。最近、途中で死ぬ役が多かったので、今回は最終話まで完走したいなと思っていたのですが……。でも、日曜劇場で、福澤(克雄)監督の作品で、あんなにインパクトのある最期を遂げられて俳優として幸せです」
山本は乃木の“味方”かと思いきや、まさかの裏の顔を持った人物だった。迫田は演じるにあたり、どんな点を意識していたのだろうか。
「テロ組織に加担しているエリート商社マンというのは、参考になるような体験もないですし、台本を読んだだけでは、リアリティーのある役を作リ上げるのに苦戦しました。しかし、僕が台本を読んで浮かんだ疑問に対して、福澤監督がすべて的確に答えてくださったので、裏設定や山本のバックボーンなど、少しずつ理解していくことができました。山本自身、具体的な何かがあって日本に敵意を向けるわけではないんです。ただ、世の中がこれだけ情報過多の中で、日常のストレスや疑問が積み重なった所に、裏組織の情報が引っかかった。それで傾倒していってしまったのではないかと自分では解釈しています。第3話でサーバールームからデータを盗むシーンでは、山本は乃木を陥れようと思っているわけではなく、自分が太田梨歩(飯沼愛)に仕組ませたトラップに、乃木がたまたまハマッてしまったことへの罪悪感があるという役作りをしています。もちろん警察の捜査に食い込むことで、情報を得ようという企みもありましたが、誤送金された時点で山本の役目は終えているので、乃木を助けようとするのは本心。決して敵ではないという感情で演じていました」
乃木と黒須(松坂桃李)が山本を追い込むシーンはモンゴルでの撮影だったという。
「実は僕もモンゴルに行っているんです。第4話で乃木と黒須が山本を追い込むシーンなのですが、実際に飛行機のそばで撮影しました。あと、4話だと、やはり最後の橋のシーンですね。厳重すぎるぐらいの命綱を付けて撮影をしましたが、とても高い場所で風も強かったので、かなり怖かったです。また、第3話の皇居前で乃木と山本が話すシーンも印象的でした。島根県の松江城の前で撮影したのですが、歴史好きの僕としては、あのような場所へ行くととてもワクワクしました。撮影前に少し時間があったので、辺りを探索することもできました」
迫田にとって今回の現場は「キャストだけではなくスタッフの皆さん全員が“福澤監督が描きたいものを、絶対に表現しよう”というエネルギーで繋がっている」と感じたそうで、「監督は、どういう画が欲しいのか、求めているものをとても的確に伝えて下さるので、僕はそこへ向かって真っすぐに突き進んで、ただひたすらに演じていました」と振り返った。
山本が密接に関わり続けた乃木役の堺とはどんなコミュニケーションを取っていたのだろうか。
「堺さんとは台本を基にセリフを読み解きつつ、辻褄を合わせながら、乃木と山本の描かれていない歴史を共通認識として増やし、関係性を作っていきました。今回、久々の共演でとても嬉しかったのですが、僕?としては何年経っても堺さんは主君なんです(NHK大河ドラマ『真田丸』にて主従関係で共演)。なので、撮影が始まるまでどういう顔をしてお会いしようかと勝手に一人で悩んでいました。同期の役で、タメ口がきけるのかと(笑)。また、堺さんも歴史がお好きなので、撮影の合間にはプライベートで訪れた名所の話などをしてくださって。『あの城は真田幸村にゆかりのある武将が築城に関わっていた』など盛り上がりました」
最後に視聴者へ向けて次のようにメッセージを送った。
「今後も日曜の夜、皆さんはテレビの前で必ず声が出ることになると思います。それぐらい面白い展開が続きますので、日曜の夜に盛り上がりながら観ていただけると嬉しいです!」
■放送情報
日曜劇場『VIVANT』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
※第5話は69分スペシャル
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、Nandin-Erdene Khongorzul、渡辺邦斗、古屋呂敏、内野謙太、富栄ドラム、林原めぐみ、櫻井海音、Martin Starr、Erkhembayar Ganbold、真凛、水谷果穂、井上順、林遣都、高梨臨、林泰文、吉原光夫、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李、役所広司
原作・演出:福澤克雄
プロデューサー:飯田和孝
製作著作:TBS
©︎TBS