『ハヤブサ消防団』連続放火&不審死の犯人は? 事件の影に潜むカルト教団の存在

『ハヤブサ消防団』連続放火事件の犯人は?

 池井戸潤の小説を中村倫也主演でドラマ化した『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)が急展開を迎えている。本作はスランプ気味の作家・三馬太郎(中村倫也)が亡き父の故郷である山間の集落・ハヤブサ地区の美しい景色に惹かれ、移住を決意。のどかな田舎でゆっくりできると思いきや、地元の消防団に加入させられたのを機に、連続放火騒動や住民の不審死などの怪事件に巻き込まれていくミステリーだ。

 8月3日放送の第3話では、消防団の仲間である山原賢作(生瀬勝久)の自宅で火事が発生。防犯カメラには、放火犯とみられる人物が自宅から立ち去る姿が映し出されていた。果たしてハヤブサ地区の平穏を壊そうとしている人物は誰で、目的は何なのか。原作未読で結末を知らない視点からこれまでのポイントをおさらいしつつ、その答えを探ってみたい。

被害者の共通点はある人物との結びつき?

 まず注目したいのが、被害者の共通点である。三馬がハヤブサ地区に移住した直後に火災に遭ったのが、寝たきりの妻と2人で暮らす波川志津雄(大和田獏)の自宅だ。ハヤブサ地区では同じ年に既に2度も火事が起きていることから放火が疑われており、犯人として山原浩喜(一ノ瀬ワタル)の名前が挙がっていた。

 浩喜が放火犯の容疑をかけられたのは、その素行の悪さだけではない。波川が売却した畑にソーラーパネルが並べられ、景観が変わったことで浩喜が波川の自宅に怒鳴り込んだという噂があったからだ。しかし、のちに波川と浩喜は地元民行きつけの居酒屋に一緒に飲みに行くほど関係は良好だったことが明らかとなる。そんな矢先、浩喜の水死体が上がり、住民たちは彼が「逮捕される前に自ら命を絶った」ということで処理をした。だが今回、賢作の自宅が放火されたことで浩喜の無実は一応証明されたことになる。

 これまでハヤブサ地区で発生した怪事件の被害者は、波川、浩喜、賢作の3人。彼らの共通点を考えた時に浮かび上がってくる人物が、集落の中心部に山門を構える随明寺の住職・江西佑空(麿赤兒)だ。随明寺は、この地区に多くの檀家を持つ菩提寺。そのため、江西は住民たちからの人望が厚く、“札つきのワル”として恐れられていた浩喜の更生を助けた人物でもある。

 三馬の実家も随明寺の檀家。移住後、江西に挨拶すべく寺を訪れた三馬が目にしたのが、屋根の修繕費として寄進した人の名前と金額が書かれた短冊だ。そこには波川の名前があり、300万円もの寄進をしていたことが明らかに。また、作中では指摘されていないが、見返してみると賢作の名前が書かれた短冊もあり、寄進額は「金捌拾萬圓(80万円)」とある。波川ほどではないが、これまた大金だ。

 つまり彼らの共通点は随明寺、および江西との結びつきが強いということ。それをよく思わない人物が犯人なのではないか、という仮説が一つ立てられる。

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