『18/40』瞳子と重なる深田恭子自身の魅力 選択を迫られ続ける女性のやるせなさを表現
そして何より瞳子が素敵なのは、自分が経験したり引き受けた苦労や理不尽を下の世代に引き継がせまいとしているところだ。有栖に自身が迫られ続けた“仕事か妊娠・出産か”の二者択一を持ち出して、彼女のシングルマザーになるという選択を“子どもだ”“甘い”と一蹴してしまったり、“できっこない”と決めつけることもない。そしてこの先が大変だと脅すようなこともしない。「諦めないで。握力全開で全てを手に入れなさい」と激励の言葉を送る。この言葉はそんな瞳子が言うからこそ説得力が宿るのだ。
女性は年齢によって諦めざるを得ない選択などが出てくるのが残酷なところで、選択肢も多い分、どうしても分断が生まれてしまうこともある。しかし、その多くは自分が体験した苦労を背負わずにいられる同性がいることが、どこかで許せないという気持ちに起因していることが多いように思える。
年齢も立場も全く異なる2人だからこそ、本音で話せるというのもあるだろう。しかし、瞳子が自身の人生を真摯に生き、清濁併せ呑みつつも自らの責任で楽しんでいるからこそ、痛々しさがない。自身の中にブレない芯があり、自分で自分のことを認めてあげることができるからこそ、頑固さなど持たなくとも、それが揺らぐことはない。周囲からの評価に左右されなくて済む。そして、歳もうんと離れた有栖の言葉や意見も尊重し、フラットに耳を傾けられるのだろう。いくら年上女性からの渡りに船な同居の提案だったとしても、尊敬できて信頼できる瞳子からの話でなければ有栖だって乗ることはなかったはずだ。
自分に正直で嘘のない瞳子だからこそ、観ていて無理がなく、有栖や会社の後輩女性、そして、トラックドライバーの加瀬(上杉柊平)も彼女に自然と惹かれてしまうのだろう。きっと猛烈に努力しているだろうに、あまりそれを外には出さず、可憐で、もちろん横柄になることもない。それはまさに深田自身の魅力とも重なるところで、まだ始まったばかりの瞳子と有栖の共同生活の行く末から目が離せない。
■放送情報
火曜ドラマ『18/40~ふたりなら夢も恋も~』
TBS系にて、毎週火曜22:00〜22:57放送
出演:福原遥、深田恭子、鈴鹿央士、上杉柊平、出口夏希、長澤樹、八木勇征(FANTASTICS)、嵐莉菜、シルビア・グラブ、髙嶋政宏、美村里江、松本若菜、片平なぎさ、安田顕
脚本:龍居由佳里、木村涼子
プロデューサー:韓哲、荒木沙耶、内川祐紀
演出:福田亮介、松木彩、宮﨑萌加
音楽:吉俣良
主題歌:Ado「向日葵」(ユニバーサル ミュージック)
製作著作:TBS
©TBS
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/1840_tbs/
公式Twitter:@1840_tbs
公式Instagram:1840_tbs