『生まれ変わってもよろしく』シン・ヘソンの壮絶な演技 最終回で描かれたそれぞれの選択
ジウムが、過去の呪縛から解き放たれる選択を選んだことで、ジウムの持っていた過去の記憶は失われてしまう。しかし、ソハもチョウォンもエギョン(チャ・チョンファ)も、ジウムに寄り添っていくのだ。バッグを選ぶショップで、エギョンの店で、ジウムを引き抜きホテルに戻すソハとして……。記憶を手放す選択の前に、ジウムがソハとの記憶、チョウォンとの記憶、エギョンとの記憶を思い出し、お別れをしていくのだが、そのシーンの映像美とOSTが切なく、涙腺を刺激する。
序盤で見せたシン・ヘソンの大いなる母性のような包容力は、第1話が海のシーンから始まるところからも暗示されている。優しくたおやかな女神のような姿から、1000年の恨みを込めた鬼の形相、はたまたコミカルな様子まで演じきったのは、さすがの演技力だった。一方、アン・ボヒョンは繊細なソハを演じるために体重を落とし、スラリとした体躯と繊細な眼差しを持って、ソハを演じきった。本作でも多くのアン・ボヒョンファンを増やしたことだろう。『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』で“春の日差し”と喩えられたハ・ユンギョンが、本作でもチョウォンとして、ハ・ドユン(アン・ドング)とのかわいく甘いサブカップルの恋愛模様を見せてくれた。
さらに、ジウムとチュウォンが母の元へ行き食事をする待望のシーンに、じんと熱いものが込みあげてきた。本作は、輪廻転生を巡るラブロマンスのなかに、交通事故に絡めたサスペンスや、切なさと愛しさを包括したOST、美しい映像描写が内包されている。キラキラとした輝きを放つ宝箱に入れてあるような、シン・ヘソンとアン・ボヒョンの代表作として、記憶に残る作品だった。
■配信情報
『生まれ変わってもよろしく』
Netflixにて配信中
出演:シン・ヘソン、アン・ボヒョンほか
(写真はtvN公式サイトより)