『らんまん』浜辺美波がかわいすぎる 好奇心と知性を併せ持つ最高のパートナーに

 また、この寿恵子の言葉は、酒屋の当主として生まれつくもどうしようもなく植物に惹かれ、酒造りにはそれほどの熱量を捧げられなかった万太郎の心情も、そして女性というだけで酒蔵に入ることを許されなかったかつての万太郎の姉・綾(佐久間由衣)の苦悩をも言い表しているかのようだった。

 寿恵子がクララ(アナンダ・ジェイコブズ)からダンスを教わりながら、一人の女性の先輩としてその生き様や“心のままに生きること”の重要性を教わる過程も美しく素敵だった。そこには西洋に追いつけ追い越せといったライバル心やコンプレックスなど一切なく、人対人の血が通ったやりとりがあった。

 好きなものに全力で、冒険に憧れがあって、一方的に守られてばかりいる庇護の対象ではなく、対等な関係を望む寿恵子は、自ら万太郎の胸に飛び込む。自分の人生の舵取りを誰かに任せきってしまうのではなく、共に歩みまだ見ぬ景色を見てみたいという寿恵子こそ万太郎のパートナーにぴったりだろう。

 何やら万太郎の手柄を平気で横取りしそうな田邊教授(要潤)の危うさや非情さが滲んでいるが、そんな時だからこそ寿恵子というパートナーを得た万太郎の冒険は、一気に心強く彩り豊かなものになりそうだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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