草彅剛が手話通訳士に 丸山正樹原作『デフ・ヴォイス』NHKでドラマ化決定

草彅剛主演『デフ・ヴォイス』今冬放送

 草彅剛主演ドラマ『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』が、NHK総合にて2023年冬に放送されることが決定した。

 本作は、丸山正樹による同名小説を原作としたヒューマンミステリー。“読書の甲子園”と言われる全国高校ビブリオバトルでグランドチャンプ本にもなった原作小説は、読者の熱い要望によりシリーズ化された。今回の実写化はシリーズ1作目を基にしている。仕事や家族を失い、人生に迷う主人公が自分の唯一の技能である手話を活かして“手話通訳士”になり、新たな人生のスタートを切る物語が、殺人事件をめぐるミステリーとともに繰り広げられていく。

 草彅が演じる主人公・荒井尚人は、ろう者の両親の間に生まれた耳が聴こえる子ども、コーダ(Children of Deaf Adultsの略)であり、自身の生き方や他者との関わり方について悩み、現在と過去の事件を追う中で自身が果たして何者なのか周囲の人から問われ自分自身にも問いかけることになる人物。ドラマの中では手話を使って演じるシーンも盛り込まれている。

 また、本作では20名近いろう者、難聴者のほぼすべての役が、実際にろう・難聴の俳優がオーディションを通して選ばれた。

 演出を担当するのは、NHKドラマ『岸辺露伴は動かない』シリーズなどを手がけた渡辺一貴。制作統括の伊藤学プロデューサーを中心に3年前からじっくり取材を重ねていった。

 主演を務める草彅は、「手話の演技も初めてなので緊張しますが、ご覧になる皆さんが楽しめる作品になるよう、頑張ります!」と意気込みのコメント。制作統括の伊藤は、「草彅剛さんをはじめ、多くの素晴らしいろう者俳優の皆さん、心強いスタッフと共に、日々楽しく撮影を行なっています。このドラマを見て下さった方たちの世界を見る目が、より豊かになればと願っています」と本作に懸ける思いを明かした。

コメント

草彅剛(主演)

今回、ろう者の方たちとご一緒させていただき、毎日、楽しい現場を共有しています。
手話の演技も初めてなので緊張しますが、ご覧になる皆さんが楽しめる作品になるよう、頑張ります!

丸山正樹(原作)

この度、最高のスタッフ&キャストにより『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』が映像化されることが決まり、大変嬉しく思っています。脚本を拝読し、素晴らしい作品になることを確信しています。
主演の草彅剛さんはもちろんのこと、信頼するろう者及びコーダの方に手話監修・指導をお願いすることができ、さらに「ろう者役はろう者俳優で」という当事者たちの長年の夢を実現できたこと、関係者の皆さんに心より感謝いたします。

渡辺一貴(演出)

昨年春、ろう者劇団の所属メンバー、映画や演劇への参加経験者から、演技経験はないがお芝居に興味のある方まで、老若男女多くのろう者の方にお集まりいただき、このドラマのためのオーディションを行いました。
驚きました。その表情の豊かさ、あたたかさ。表現の多彩さ、細やかさ。手話の「手」だけではなく、顔や全身を使った感情表現に圧倒されました。何よりも皆さんが「演じる」ことを心の底から楽しんでいる。こんなに楽しく、そして刺激的なオーディションは初めてでした。
この思いをぜひ皆さんにもお届けしたい。
いえ、お届けしなければいけない、と思っています。

伊藤学(制作統括)

生き方や境遇が違うわたし達は、一体どれだけ分かりあえるだろう。聴者同士でもコミュニケーションが難しい世の中で、聴者とろう者の隔たりはどれほどだろう。
その狭間で生まれ、もがく男の目線を通して、たくさんの気づきをお届けしたい。
そんな思いを持って、草彅剛さんをはじめ、多くの素晴らしいろう者俳優の皆さん、心強いスタッフと共に、日々楽しく撮影を行なっています。
このドラマを見て下さった方たちの世界を見る目が、より豊かになればと願っています。

■放送情報
『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(前・後編)
NHK総合、NHK BS4Kにて、2023年冬放送
主演:草彅剛
原作:丸山正樹
脚本:高橋美幸
演出:渡辺一貴
音楽:原摩利彦
手話・ろう者監修:木村晴美
手話指導:江副悟史、米内山陽子
ろう者俳優・手話通訳コーディネート:廣川麻子
制作統括:伊藤学
写真提供=NHK

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