浜辺美波には底知れない魅力がある 『らんまん』制作統括が絶賛するキャストたちの好演
NHK連続テレビ小説『らんまん』が第5週までの放送を終えた。第3週から万太郎を演じる神木隆之介が本格登場し、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣ら実力派の俳優たちが物語に彩りを与えている。物語は第5週までを終えて、いよいよ第6週から東京編へと突入。新章を前に制作統括の松川博敬に、称賛の声が相次いでいる役者陣の魅力について話を聞いた。
浜辺美波が巧みに表現する寿恵子の“癖の強さ”
ーー主演の神木隆之介さんを中心に各キャストたちに称賛の声が集まっています。まず、第4週から第5週にかけて、主役ともいえる輝きを放っていた竹雄を演じる志尊淳さん、槙野綾を演じる佐久間由衣さん、それぞれに感じる魅力を教えてください。
松川博敬(以下、松川):私は志尊さんとお仕事をするのは今回の『らんまん』が初めてなんですけど、NHKのドラマでは『半分、青い。』や『女子的生活』に出演していただいていました。すごく綺麗な俳優さんだなというイメージで見ていたんですけど、意外と男らしいんですよね。男性の私が言うのもなんですけど、最近男っぷりが良くなってきたなって思っていた時に、ちょうどこの竹雄という役があって、志尊さんにお願いしました。神木(隆之介)さんもインタビューで話していましたが、志尊さんの存在がすごく支えになりました。志尊さんも、神木さんが30歳を迎えるにあたっての大事な1年になるから僕がサポートしたいっていう思いでこの作品に参加してくれていて、そのリアルな友情がそのままドラマに投影されているなと感じています。佐久間さんは、綾さんとしての素朴な感じですよね。先に神木さんと寿恵子さん役の浜辺(美波)さんが決まっていて。しきたりに囚われて踠きながら自分の道を探っていくというところで、都会育ちの寿恵子さんとはまた違ったタイプの女性であり、耐え忍ぶ古風な感じを表現できる方にお願いしたいなと。綾さんは5週目で峰屋の蔵元になることを宣言するんですけど、そのシーンは現場で見ていても感動しましたし、役者として実力のある方だなと思います。
ーー西村寿恵子を演じる浜辺美波さんの魅力は?
松川:浜辺さんは年齢はまだ若いんですが、すごく大人なんですよね。懐が深いというか、底知れぬ魅力がある。彼女のキャスティング理由として、神木さんのお芝居を受けて立てて、役は年下という設定なので、20歳前後の俳優さんだと浜辺さん以外考えられなかったなと思っています。寿恵子さんは万太郎くんを尻に敷く、夫よりも妻の方が上手であるという表現にこれからなっていくと思うんですけど、その懐の深さが頼もしいですね。寿恵子さんはちょっとオタクっぽいキャラクターなんです。『里見八犬伝』が愛読書という、万太郎くんの植物オタクと彼女の気質がお互い共鳴して恋愛に発展していく。浜辺さんにはそういった癖の強さみたいなところも上手く表現していただいています。
ーー今後の展開として、万太郎と寿恵子の恋愛模様も気になります。
松川:万太郎くんに恋のライバルが現れます。寿恵子さんのことを見初める実業家・高藤雅修(伊礼彼方)が出てくるんですが、大金持ちで権力があって。そんな彼が寿恵子さんに惚れて、自分の妻にしようとする。万太郎くんは、自分が一人前の男にならない限りは彼女を迎えに行けないと思って、植物学者として一人前になろうと一生懸命頑張る。第11週から第12週で2人が結婚することになるんですが、第6週から第11週が2人の恋愛模様が描かれるところになります。