『王様に捧ぐ薬指』坂東龍汰の登場が波乱を巻き起こす 契約で結ばれた山田涼介との対比も
かと思いきや、『この初恋はフィクションです』(TBS系)で演じたクラスの人気者の高校生・野島啓介役では、主人公の泉(飯沼愛)に人知れず好意を寄せ、切ない恋模様を見せてくれた。皆の中心にいながらたった一人好きな人を前にすると、自身の本心を伝えられず、泉を見つめる一方通行な野島の視線は切実で、無理して明るく振る舞おうとする健気さに思春期の甘酢っぱさが凝縮されていた。
本作でも東郷と仕事を進める中で、綾華の存在に気がついていながらも話しかけることもせず、わざと彼女の真後ろを通っていくだけの絢斗の姿に、彼らの高校時代に何があったのか想像が膨らむ。綾華の背中を少し離れたところから見つけ、そして“気づいてほしい”と言わんばかりに通りすぎていく彼の表情には、何やら決意や思惑が滲んでいたように見えた。その名刺には“クリエイティブディレクター”という肩書きが冠され、海外で働いていたという絢斗もきっと優秀に違いない。だが、そんな彼だからこそ、心許せる相手がいないという孤独を互いに分かち合えたのが綾華だったのかもしれない。そして、それでもへこたれない綾華の姿に高校時代の彼は励まされていたのかもしれない。
綾華と東郷の距離が近づいている最中に登場した、互いにとって“特別だった相手”。契約から始まった2人と、契約も何も必要とせず惹かれ合った2人の対比が描かれそうで楽しみだ。
■放送情報
火曜ドラマ『王様に捧ぐ薬指』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
出演:橋本環奈、山田涼介、坂東龍汰、長尾謙杜(なにわ男子)、小林きな子、若月佑美、三浦獠太、小林涼子、田仲陽成(Go!Go!kids/ジャニーズJr.)、高橋奏琉(ジャニーズJr.)、宮崎莉里沙、塚地武雅、利重剛、りょう、松嶋菜々子
原作:『王様に捧ぐ薬指』わたなべ志穂(小学館プチコミックフラワーコミックスα)
脚本:倉光泰子、関久代
演出:坪井敏雄、泉正英、宮崎萌加
プロデューサー:橋本梓、勝野逸未
製作:TBSスパークル、TBS
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