北米で映画『スーパーマリオ』旋風が止まらない アリ・アスター最新作は賛否真っ二つ

 もうひとつ今週の大きなトピックは、先週公開された、ホアキン・フェニックス主演&アリ・アスター監督『Beau Is Afraid(原題)』の拡大公開だ。1週目はわずか4館で32万ドルを記録したが、2週目は965館で上映され、3日間で282万ドルを記録。北米興収は314万ドルとなった。

Beau Is Afraid | Official Trailer HD | A24

 『ヘレディタリー/継承』(2018年)『ミッドサマー』(2019年)のアリ・アスターが製作費3500万ドルを投じ、上映時間3時間を費やして描いたのは、フェニックス演じる主人公が母の葬儀のため故郷を目指す物語。長尺ゆえに興行のハードルが高く、例に漏れず賛否真っ二つとあって、拡大公開の規模に対して興収は今ひとつ伸びなかった。すでにコスト回収は難しそうだが、映画界の一角を確実に牽引する監督の新作ゆえ、その価値をどこに見るかがA24のスタンスの分かれ目になるだろう。

 そのほか、第11位にはサーチライト・ピクチャーズ製作の伝記映画『Chevalier(原題)』が初登場。音楽家ジョゼフ・ブローニュ・シュヴァリエ・ド・サン=ジョルジュを『エルヴィス』(2022年)のB・B・キング役も記憶に新しいケルヴィン・ハリソン・Jr.が演じ、サマラ・ウィーヴィングやルーシー・ボイントンら女優陣も魅力的な顔ぶれで、Rotten Tomatoesでは批評家81%・観客97%と大好評だ。しかし、興行的には1275館で150万ドルといささか渋い初動。ガイ・リッチー、アリ・アスターによる2作を含め、やはり大人をターゲットにした作品はまだまだ伸びにくいと言わざるをえない。

北米映画興行ランキング(4月14日〜4月16日)

1.『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』(→前週1位)
5823万ドル(-36.9%)/4350館(-21館)/累計4億3432万ドル/3週/ユニバーサル

2.『Evil Dead Rise(原題)』(初登場)
2350万ドル/3402館/累計2350万ドル/1週/ワーナー

3.『The Covenant(原題)』(初登場)
628万ドル/2611館/累計628万ドル/1週/MGM

4.『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(↓前週3位)
575万ドル(-28.5%)/2685館(-348館)/累計1億6888万ドル/5週/ライオンズゲート

5.『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』(↑前週6位)
540万ドル(-28.3%)/2960館(-364館)/累計8218万ドル/4週/パラマウント

6.『AIR/エア』(↓前週5位)
494万ドル(-37%)/2823館(-684館)/累計4126万ドル/3週/Amazon

7.『The Pope’s Exorcist(原題)』(↓前週2位)
331万ドル(-63.2%)/3178館(変動なし)/累計1493万ドル/2週/ソニー

8.『Renfield(原題)』(↓前週4位)
311万ドル(-61.3%)/3378館(+3館)/累計1362万ドル/2週/ユニバーサル

9.『Beau Is Afraid(原題)』(↑前週15位)
282万ドル(+782.3%)/965館(+961館)/累計314万ドル/2週/A24

10.『すずめの戸締まり』(↓前週7位)
167万ドル(-66.6%)/2170館(変動なし)/累計847万ドル/2週/Crunchyroll

(※Box Office Mojo調べ。データは4月24日未明時点の速報値であり、最終確定値とは誤差が生じることがあります)

参照

https://www.boxofficemojo.com/weekend/2023W16/
https://www.hollywoodreporter.com/movies/movie-news/super-mario-box-office-evil-dead-rise-1235399391/
https://variety.com/2023/film/news/box-office-super-mario-bros-movie-evil-dead-rise-guy-ritchie-debut-1235591800/
https://deadline.com/2023/04/box-office-evil-dead-rise-super-mario-bros-movie-2-1235333373/

■公開情報
『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』
4月28日(金)より全国公開
声の出演:クリス・プラット、アニャ・テイラー=ジョイ、チャーリー・デイ、ジャック・ブラック、キーガン=マイケル・キー、セス・ローゲン、フレッド・アーミセン、ケヴィン・マイケル・リチャードソン、セバスティアン・マニスカルコ
日本語版吹替声優:宮野真守(マリオ)、志田有彩(ピーチ姫)、畠中祐(ルイージ)、三宅健太(クッパ)、関智一(キノピオ)
脚本: マシュー・フォーゲル
監督:アーロン・ホーヴァス、マイケル・ジェレニック
製作:クリス・メレダンドリ(イルミネーション)、 宮本茂(任天堂)
配給:東宝東和
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