赤楚衛二の豊かな表現力が『風間公親』にもたらすものは? 気になる“伸びすぎの髪”も

 もともと潤んだ瞳やあどけない表情が持ち味でもあった赤楚。瓜原を演じる時もそのうるうると輝く瞳は健在で、心優しく、そっと他者と寄り添う瓜原の心情を豊かに表現する。一方で、“新人”としての初々しさに相反する“刑事”としてのプライドや強気な姿も印象的であった。時には容疑者の日中弓(内田理央)に声を荒げ、風間に強気な姿勢を見せることも。こうしたギャップが、瓜原という人物の安定しない立場や、優しさとキャリアのはざまで苦悩する姿と重なり、赤楚がいかに多くのことを芝居の中に盛り込んで視聴者に届けてくれているのかを痛感する。

 加えて、瓜原のキャラクターを象徴する「優しさ」の表現にも、赤楚は長けている。瓜原は子供の扱いがうまく、本人もフリースクールに通っていたことから困っている人に寄り添いたいという思いが強い。こうした瓜原の背景を、赤楚はあたたかい声と穏やかな瞳で表現する。刑事役をやっていると、ふと肩に力が入ってしまう瞬間も多いだろう。だが赤楚は、緩める部分ではしっかりリラックスした姿の瓜原を演じている。『舞いあがれ!』でも子供との共演シーンが多かったが、どの役を通しても子供と真摯に向き合おうとする視線の丁寧さや、安心感のある対応が光っていた。それは赤楚自身が、常に子供と同じ目線に立つことができる人間だからだろう。深みのある演技の数々は、赤楚の豊かな表現力のなせる技だ。

 第2話でも引き続き瓜原の活躍が予想される。彼が風間の指導を受けることで、今後どのような成長を見せてくれるのかも楽しみなところ。厳しい指導を乗り越え、立派な刑事となる日が待ち遠しい。また、複数の人たちから指摘されていた“伸びすぎの髪”を瓜原がどうするのかについても気にかけていきたい。

■放送情報
フジテレビ開局65周年特別企画『風間公親-教場0-』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:木村拓哉、赤楚衛二、新垣結衣、北村匠海、白石麻衣、染谷将太ほか
原作:長岡弘樹『教場0 刑事指導官・風間公親』『教場X 刑事指導官・風間公親』(小学館)
脚本:君塚良一
演出・プロデュース:中江功
プロデュース:渡辺恒也、宋ハナ
音楽:佐藤直紀
主題歌:Uru「心得」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
制作・著作:フジテレビ
©︎フジテレビ
公式サイト:https://www.fujitv.co.jp/kyojo0/
公式Twitter:@kazamakyojo
公式Instagram:@kazamakyojo

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