『ザ・グローリー』復讐が生んだ未来とは? パート2で注目すべきキャラクターを解説
予想外だったのは、ヨンジンの夫ハ・ドヨン(チョン・ソンイル)がドンウンの味方にはならなかった点だ。それどころか全てを知ってもヨンジンから離れようとはしなかった。しかし結果的に、彼は協力者ではなく囲碁石にしか過ぎなかったのだ。ドンウンの復讐は自分の手を汚さない。「これは犯罪になりますか」と警察に話していた姿がドンウンのやり方を語る。例えばいじめの加害者メンバーのチョン・ジェジュン(パク・ソンフン)への復讐はドヨンが決着をつけることになる。またそこで利用されたのはドンウンの同僚で教師のチュ・ジョンホ(ホ・ドンウォン)。小児性愛者であり犯罪者である彼を自分の復讐に使うだけでなく成敗するのは爽快であった。
ドンウンはいじめの加害者に自分が描いた復讐の絵や手札も見せ、改善するチャンスも与えた。けれど、それを無視した加害者たちは自滅の道をたどっていく。腐敗した彼らの繋がりには政治、宗教、社会までが関わっている。いじめは個人だけでなく社会全体の問題であると訴えているのだ。
復讐は終わった。だからといって何が変わったわけではない。友達とおしゃべりして遊んで笑って過ごす18歳の日々は戻ってこない。ドンウンの選択は予想できたものだった。ところが、ドンウンの“剣舞を踊る処刑人”になった形成外科医チュ・ヨジョン(イ・ドヒョン)の復讐のために新たに生きる目標を見つけたのが本作の斬新な視点である。どんな方法であれ、終わりではなく続きを見せてくれたことで少しだけ救われた。そして本作が残した深い傷跡を抱えるべきは、私たちであることも忘れてはならない。
■配信情報
『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』
Netflixにて全16話独占配信中
出演:ソン・ヘギョ、イ・ドヒョン、イム・ジヨン
演出:アン・ギルホ
脚本:キム・ウンスク