『僕のヒーローアカデミア』期待を超えた佐倉綾音の名演 お茶子の叫びは第6期のベストに

『僕のヒーローアカデミア』お茶子の声/第137話「未成年の主張」#ヒロアカMVP 麗日お茶子/MY HEROACADEMIA Vol.137 MVP Ochaco Uraraka

 とはいえ、第6期後半の一番のハイライトは、デクを雄英に匿うことに反対する市民を対お茶子が説得するシーンである。ここは原作掲載時からすでに話題になった名場面中の名場面。ある意味、上がり切っていたハードルではあるが、声優を務める佐倉綾音の演技はそれを凌駕した。拡声器を持って話し始める際には声が震えており、言葉も上手く出て来ず、まだまだ恐怖感や緊張が垣間見える。しかし、必死に声を振り絞り、最後には「ここを彼のヒーローアカデミアでいさせてください」と叫びながら訴え、そこには確かにお茶子の言葉があった。

 本作序盤では、オールマイトの「私が来た!」というセリフだけで市民を安心させていた。それはオールマイトの圧倒的な戦闘力はもちろん、これまでにヒーローが築いてきた歴史があってのことだろう。しかし、市民の心が離れてしまい、ヒーローは信頼を一から取り戻さなければいけなくなった。そんな困難な状況の中、市民の心を震わせたお茶子の“ヒーローとしての素質”を十二分に感じられるシーンでもあり、佐倉の演技は説得力を持たせてくれたように思う。

 第7期の制作も決定しており、今後はより戦闘シーンだけではなく、何気ない一挙手一投足にも目を配りたくなる。

■配信情報
『僕のヒーローアカデミア』
各配信サイトにて配信中
原作:堀越耕平(集英社『週刊少年ジャンプ』連載)
総監督:長崎健司
監督:向井雅浩
シリーズ構成・脚本:黒田洋介
キャラクターデザイン:馬越嘉彦・小田嶋瞳
音楽:林ゆうき
アニメーション制作:ボンズ
声の出演:山下大輝、岡本信彦、佐倉綾音、石川界人、梶裕貴、増田俊樹、悠木碧、井上麻里奈、細谷佳正、天崎滉平、小笠原亜紀、沖野晃司、松岡禎丞、真坂美帆、羽多野渉、諏訪部順一、三宅健太
©︎堀越耕平/集英社・僕のヒーローアカデミア製作委員会
公式サイト:https://heroaca.com/
公式twitter:https://twitter.com/heroaca_anime
公式Instagram:https://www.instagram.com/heroaca_insta/

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