『鬼滅の刃』宇髄天元は大画面でこそ映える! 「遊郭編」を映画館で観ることができた喜び
2月3日から公開中の『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』。本作は、昨年放送された「遊郭編」第十話、第十一話と4月から放送予定の「刀鍛冶の里編」第一話で構成されている。
「遊郭編」は既にテレビで放送され、「刀鍛冶の里編」も待てばテレビやストリーミング配信で観られるため、わざわざ映画館に行かなくても作品を楽しむこと自体はできる。だが上映中の本作は、テレビや配信版とは少し異なる。映画館での鑑賞に最適化するため、本編映像が全編4Kアップコンバートされた。さらに、全編の音楽が劇場環境に合わせて再リミックスされているのだ。
そのため、パワーアップした美しい映像や大迫力の音に圧倒される映像体験ができた。これが、テレビやスマホでは味わうことはできない、映画館で観る醍醐味だろう。
中でも目立ったのが、宇髄天元の存在だ。映画館で観ることで、天元の「ド派手」な演出を味わうことができた。本記事では、映画館で観られる天元の魅力を紹介したい。
今回上映された「遊郭編」第十話、第十一話は、上弦の鬼・妓夫太郎と堕姫兄弟との勝負のクライマックスである。天元は妓夫太郎に敗れて倒れており、妓夫太郎からは「死亡した」と認識されていた。
しかし実際は、死んだのではない。筋肉を使って無理矢理心臓を止めていたのだ。炭治郎が妓夫太郎に圧倒され、危機一髪のタイミングで姿を現した。素早い動きで2人の間を割って入り、炭治郎を窮地から救い出す。その勢いで妓夫太郎に向けて日輪刀を振りかざすと、爆発が起きる。まさに「ド派手」な登場シーンに、胸が高鳴った。その後ブンブンと日輪刀を振り回し、完全復活した姿を見せる。
「譜面が完成した!」と炭治郎に叫ぶと、一瞬で妓夫太郎の元へ飛び出す。脳内の「譜面」を読み、妓夫太郎が仕掛ける血鬼術を華麗に跳ね返しながら突進していく。気持ちがいいくらいピッタリと、テンポよく進んでいく姿は、まるで演奏しているようでもあった。まさに音柱らしい演出だ。
天元はその後妓夫太郎と攻防を繰り広げていく。妓夫太郎の血鎌や血鬼術の毒々しい赤と、キラキラ輝く天元の日輪刀のコントラストが眩しい。映画館の真っ暗闇の中で観ると、天元の日輪刀は一層輝いて見える。テレビサイズだとよく見えなかった2人の俊敏な姿が、大きいスクリーンだと俯瞰的に観ることができる。妓夫太郎の圧倒的な強さを見せつけられ、誰もが絶望していた頃であったため、互角に戦えている天元の姿は心強かった。
斬り合う2人の衝撃により至る所で爆発が起きる。刃と刃が重なる音と、爆発音が鳴り止まない様子は、臨場感が溢れる演出であった。眩しい光と響き渡る音が印象に残った天元と妓夫太郎の戦い。映像も音楽もアップデートされた劇場版だからこそ、存分に味わうことができたのだろう。
もう一つ、映画館で観ることで改めて感じた天元の人柄にも注目したい。