ŹOOĻは影から見る光の眩しさを知っている 『アイドリッシュセブン』で巻き起こした革命

『アイドリッシュセブン』ŹOOĻの革命

ŹOOĻ×他グループで見えてくるキャラの深み

 『アイドリッシュセブン Third BEAT!』では、ŹOOĻの登場により、他キャラクターを別の側面から切り取るきっかけが生まれるのも面白いところだ。

 例えば、前シーズンまでは「七瀬陸の兄でありTRIGGERのセンター」として描かれ続けていた九条天(CV:斉藤壮馬)は、亥清悠(CV:広瀬裕也)との出逢いによって「九条鷹匡の最高傑作」という別の肩書きを得ることになる。

『アイドリッシュセブン』TRIGGERの“醒めない夢”にエールを 神回だった再起のライブ

TVアニメ『アイドリッシュセブン Third BEAT!』について、第20話でのTRIGGER(トリガー)の再起がファンの注目を…

 努力で培った完璧なパフォーマンスで、天使の如く人々に愛を振りまく天と、人だからこそ抱く欲や抑えきれない衝動を心に秘めた悠。MOPの放送では、天を敵視しながらもスマホの画面に釘付けになって天を目で追う姿も。ŹOOĻの登場によって、アイドルとしての本当の魅力とは何かを、視聴者はますます考えさせられることになる。悠はこの先、九条親子から得た“感情”をどのように昇華し、ステージへと羽ばたいていくのだろうか。

 さらに第29話の中では、巳波に詰め寄る六弥ナギ(CV:江口拓也)の姿も印象的だった。目のハイライトは消え、巳波の胸ぐらを掴み激昂するナギ。必死なナギの姿に苦しさを感じながらも、同じくらい辛そうな巳波の姿を見ると、この2人もまた『アイドリッシュセブン Third BEAT!』にて、互いを通して新たな決断を下すのだろう。

【7th Anniversary】Lyric Video #3 ŹOOĻ『NEVER LOSE, MY RULE』

 危険信号だらけのŹOOĻに魅了されてしまうのは、彼らが常に葛藤し、前に進むための努力を怠ることがないからだ。ツクモプロダクションという絶対悪の下、悪すら利用して自分の夢を掴む。その裏にあるのは成功への揺るぎない強い感情であり、その想いが、さまざまな不条理を目の当たりにしてきた彼らにしか届けられない音楽を生み出している。

 影から見る光の眩しさを知っているアイドルがいても良い。彼らの存在を月として、ファンは日々を歩むからだ。最終話のIDOLiSH7とTRIGGERの輝きこそが、ŹOOĻをさらに進化させるのだろう。目的の違う4人だから出来上がった「ŹOOĻ」が、アイドル界に巻き起こした革命はまだまだ終わらない。

■配信情報
『アイドリッシュセブン Third BEAT!』
各種配信プラットフォームにて配信中
原作:バンダイナムコオンライン・都志見文太
監督:別所誠人
キャスト:増田俊樹、白井悠介、代永翼、KENN、阿部敦、江口拓也、小野賢章、千葉進歩、興津和幸、佐藤聡美、羽多野渉、斉藤壮馬、佐藤拓也、小西克幸、川原慶久、保志総一朗、立花慎之介、古川慎、広瀬裕也、木村昴、西山宏太朗、近藤隆、高橋広樹
シリーズ構成:関根アユミ
スーパーバイザー:あおきえい
キャラクター原案:種村有菜
アニメーションキャラクターデザイン:深川可純
総作画監督:猪股雅美、サトウミチオ、奥田淳
美術監督:葛琳
色彩設計:篠原真理子
2Dデザイン:高橋清太(FUETE)
撮影監督:津田涼介
CGディレクター:ヨシダ.ミキ
3Dワークス:井口光隆
編集:右山章太
監督補佐:志賀翔子
音楽:加藤達也
音楽制作:ランティス
音響監督:濱野高年
アニメーション制作:TROYCA
製作:アイナナ製作委員会
©BNOI/アイナナ製作委員会
公式サイト:https://idolish7.com/aninana/
公式Twitter:@ID7_anime

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