『テルマエ・ロマエⅡ』阿部寛と一緒に銭湯の凄さを再発見 独特な“音”の演出に癒される

『テルマエ・ロマエII』癒される独特の演出

 2月18日、『土曜プレミアム』(フジテレビ系)にて、2014年に公開された阿部寛主演映画『テルマエ・ロマエⅡ』が放送される。空前のサウナ・銭湯ブームの昨今、改めて同作を見返してみると、当時は気づかなかったことに気付かされた。本稿では、週1以上のペースでサウナや銭湯に通うライターが、本作の見どころを改めて読み解きたい。

 『テルマエ・ロマエ』とは、2008年2月号から2013年4月号まで『コミックビーム』(エンターブレイン)にて連載されたヤマザキマリによるマンガ作品。

 映画は、古代ローマで浴場設計技師をしているルシウス(阿部寛)が、ローマのテルマエ(浴場)から現代の日本の銭湯・風呂へとタイムスリップし、古代ローマのテルマエ作りのアイデアを学ぶという内容のコメディ作品だ。

 そんな本作で、古代ローマ人の浴場設計技師・ルシウスを演じているのは、阿部寛。古代ローマ人という設定ゆえ、阿部は平たい顔族(=日本人)の前でラテン語を話し、通じないとわかれば無言で表情をコロコロと変える。もちろん心の声を表すモノローグは流れるのだが、言葉を発さずに表情だけで感情をあらわにするシーンも多い印象だ。

 特に第14代ローマ皇帝・ハドリアヌス(市村正親)への忠誠心が高いルシウスが、現代の日本にある浴場から何かを学び取ろうと真面目な表情をしていたり、ハッと驚いていたりするシーンは、ふふっと笑ってしまう。

 その一方、映画の中で日本人の阿部が古代ローマ人を演じているという設定を、何の疑いもなくスッと受け入れてしまうことは不思議だ。はっきりとした顔立ち、高身長の引き締まった体など、阿部が古代ローマ人として成立しているのには、さまざまな理由があるだろう。いずれにせよ「日本の銭湯を古代ローマ人が楽しんでいる」ことを疑わせない阿部の役者としてのすごみを改めて感じさせられる。

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