『ザ・フラッシュ』でDC映画の世界はどう変わる? マイケル・キートン登場の新予告を解説

 こんにちは、杉山すぴ豊です。ここ最近のマーベル、DCのアメコミヒーロー映画まわりのニュースや気になった噂をセレクト、解説付きでお届けします!

 アメリカ時間の2月12日、アメリカンフットボールの最高の大会で最大のスポーツイベントであるスーパーボウルが開催されました。この試合のTV中継は全米で驚異的な視聴率を記録することから、それに合わせて特別なCMを流す企業が多い。そして、ハリウッドも春・夏公開の超大作映画のCMを用意しています。

 ワーナー/DCは、エズラ・ミラー主演の『ザ・フラッシュ』をこのタイミングでぶつけてきました。期待が一気に膨らむ素晴らしい内容! そこから見えてきた『ザ・フラッシュ』について予想&解説したいと思います。

映画『ザ・フラッシュ』予告編

 まずこの予告編の最大のポイントは、2人のフラッシュことバリー・アレン(つまりエズラ・ミラー)と2タイプのバットマン、そしてスーパーガールが登場することです。これは一体どういうことか? この映画は、DCコミックの名作エピソード“フラッシュポイント”をベースにしています。バリー・アレンは幼少の頃、母親を何者かに殺され、父親が犯人として(もちろん無罪なのですが)逮捕されるという悲劇にみまわれます。

 コミックでは、バリーがスーパースピードで過去に遡り、その母親の悲劇を止める=つまり過去を変えてしまう。それ故、彼の知っている世界が変わってしまうというお話です(言い方を変えれば、もう一つの現実の世界=マルチバースに迷い込んでしまうわけですね)。

 この予告を見ると、やはりバリーが母親を助けるため過去に行くことがわかります。だからバリーは、過去の自分と会う。それがもう一人のバリーなわけです。そして世界がどう変わってしまうのか?

 バリーの元の世界ではベン・アフレック演じるバットマンことブルース・ウェインがいる世界でしたが、ここではマイケル・キートンが演じるバットマン/ブルース・ウェインが活躍する世界なのです。

 ここで面白いのは、マイケル・キートン版バットマンは、1989年のティム・バートン監督の『バットマン』に登場しました。つまり、ティム・バートンの『バットマン』の世界と、ザック・スナイダー監督による『ジャスティス・リーグ』路線(エズラ・ミラーは、この世界観でのフラッシュですから)はマルチバースの関係ということがわかります。ちょうど『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』で、トビー・マグワイア、アンドリュー・ガーフィールド、トム・ホランドのそれぞれのスパイダーマン映画の世界がマルチバース関係だったようなものです。

 『ザ・フラッシュ』でのマイケル・キートンのバットマンのシーンは、1989年版のダニー・エルフマンのテーマ曲が使われたり、“I’m BATMAN”という決めゼリフが登場したりと、ワクワクさせられますね。

 そして、この世界にはスーパーマンがいません! なんとスーパーガールが存在します。ザック・スナイダー監督の、後に『ジャスティス・リーグ』につながる『マン・オブ・スティール』では、マイケル・シャノン演じるゾッド将軍の地球の侵攻にスーパーマンが立ち向かいましたが、ここではスーパーガールが出撃します。その助っ人にキートン版バットマン、2人のバリーが同行するわけですね。この予告では、スーパーガールことカーラがどこかの国の軍隊に捕まり、隔離されていたこともわかります。それをバットマンたちが救出するのでしょうか?

 本作ではフラッシュのスーツがリニューアルします。そしてコミック同様、圧縮したスーツを指輪に隠し瞬時に着替えるということがわかります。また、フラッシュはもともと大量の薬品を浴び、そして雷にうたれたことでスーパーパワーを得るわけですが、それに基づいたシーンがいくつか登場しますね。とにかく期待しかない予告編です。

 監督は『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』2作を成功させたアンディ・ムスキエティです。

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