『舞いあがれ!』事務員・山田で思い出す『プラダを着た悪魔』 母を気遣う悠人の一面も

 『プラダを着た悪魔』は、元々ジャーナリスト志望だった主人公のアンドレア(アン・ハサウェイ)が、右も左も知らないファッション誌で働き出す物語。その彼女の先輩であり同僚であるエミリーは、何もわからない彼女を馬鹿にするし、いつだって嫌味を言い続ける。それでも、ゼロから学びだし、徐々に仕事を覚えていったアンドレアを最終的に認めるのだ。

 もちろん、山田はエミリーみたいに自分なりの目標があって仕事を頑張っているタイプではない。しかし、どこかで「真剣になっている人間が馬鹿らしい」と思っていそうな態度で主人公を攻撃する姿など、似ている部分もある。山田の存在感が、放送を重ねるごとに高まっていることも含め、今後彼女がどのように変わるのか気になるところ。舞の実直さに感化され、少し改心するというのが割と“お決まりの展開”ではあるものの、逆に何一つ変わらずに最後の最後まで職場でネイルを乾かしながら合コンに向かう山田でも、それはそれで良いキャラだなと思ってしまう。

 そしてやはり、揺らぐ舞の気持ちを支えるのは貴司(赤楚衛二)。一番舞が必要なタイミングで、彼女が一番必要な言葉を送ってくれるのはいつだって彼だった。

<君が行く 新たな道を 照らすよう 千億の星に 頼んでおいた>

 スパダリ具合に磨きがかかる貴司くん。八神先生(中川大輔)と付き合って“ハッピーハッピーハッピー”な久留美(山下美月)に、「最近どう?」と聞かれて一切柏木(目黒蓮)の話が出ない感じも含めて、舞はもう貴司くんルートに突き進んでほしい。仕事と恋愛の両立が可能であるという久留美の話は、今後舞に恋愛フラグが立ったときに効いてきそうだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

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