永野芽郁、神尾楓珠、永瀬廉ら「卯年」の俳優に注目 期待の若者は2023年にどう輝く?

 『ほんとにあった怖い話 夏の特別編2022』(フジテレビ系)にて各作品の主役を務めた神尾楓珠と山下美月も「卯年」。2021年以上に勢いを増した2022年の神尾は、『親密な他人』『20歳のソウル』『恋は光』といった3本もの主演作が公開された。ドラマでは『17才の帝国』(NHK総合)で主演を務め、『薔薇とサムライ2-海賊女王の帰還-』で劇団☆新感線の作品に参戦 。いま若手が集う作品に必ずといっていいほど顔を見せるのが彼だろう。『カラダ探し』では心を閉ざした若者がしだいに変化していくさまを演じ、彼の妙演によって同作は“青春群像劇”として強い光を放つことに成功していたと思う。

『恋は光』©︎秋★枝/集英社・2022 映画「恋は光」製作委員会

 乃木坂46の活動と並行して俳優業にも打ち込む山下は、現在、朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)での姿が話題である。彼女が演じるのは福原遥が扮するヒロイン・舞の幼なじみの久留美。山下の清涼感のある声は本作の持つ清々しさにより強度を与えるもので、それはそのままヒロインの背を押すことに繋がっているように感じる。朝ドラでヒロインの友人役を演じたのをきっかけに、演技者としての未来が一気に開ける者は少なくない。いまのところサブストーリーとして久留美と家族の関係など、彼女にスポットが当たる瞬間がいくつかある。俳優として早くも大きな転機を手にした山下。その動きを注視したい。

『舞いあがれ!』(写真提供=NHK)

 2022年に「岡田健史」から本名へと名義を変えて活動を開始した水上恒司も、次なる動きから目が離せない俳優の一人である。昨年は『死刑にいたる病』にて大先輩である阿部サダヲとともに映画初主演を経験。自身のルーツをたどるうちに迷宮に足を踏み入れ、自らの内に潜む暗部と対峙する若者の姿を等身大で表現してみせていた。作品のテーマがテーマだっただけに、“等身大”と表記するのははばかられるが、けれども彼の役への取り組み方はまさに等身大であり、それは多くの観客が得た読後感の禍々しさが物語っているだろう。いずれは同作で阿部が演じたようなキャラクターを、後輩俳優を前に演じる姿に期待してしまう。

『死刑にいたる病』©︎2022映画「死刑にいたる病」製作委員会

 さて、「卯年」の若手注目株はまだまだいる。本稿でたびたび触れた『カラダ探し』に出演の横田真悠、『散歩時間〜その日を待ちながら〜』が公開中の大友花恋、葉山奨之とのW主演作『シコふんじゃった!』(ディズニープラス)が配信中の伊原六花、『のぼる小寺さん』以降の主演映画が楽しみな工藤遥らがそうだ。ここに名を挙げた者たちのほとんどが、すでに作品を背負うことのできるポジションについているのだと、その実績に簡単に触れただけで分かるだろう。これからまだまだ出演作の情報開示がなされるはず。そして、ここに名を挙げなかった者たちで、2023年に一気に名乗りを上げる存在も現れるはずだ。ちなみに本稿で名を挙げた者たちの一回り上の世代には、市原隼人、井上真央、木村文乃、高良健吾、長澤まさみらがいる。彼ら彼女らはこの2023年にどう輝くのだろうか。

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