『舞いあがれ!』で憧れるパイロットの姿 名作映画で空飛ぶロマンはどう描かれてきた?
また、飛行機だけでなくヘリコプターも映画に重要な要素と言えるだろう。あまり主役として登場する乗り物ではないものの、有名作品の“いいところ”で出てくる。例えば『007』シリーズ。悪党たちは自家用ジェットや屋上に用意されたヘリコプターを使って逃げていくことが多い。『007 スペクター』では、冒頭シーンでジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)が敵のヘリコプターに乗り込み、操縦士を倒して自ら安全な場所へと運転していくシーンが描かれている。ジェットコースターのように何度も回転するなど、メキシコの群衆の上で繰り広げられたアクションの壮大さには驚いた。残念ながら操縦士はやられてしまったが、それでも大きな印象を残したシーンだ。
救助や援助にも使われるヘリコプターは、海上保安庁の潜水士を描いた『海猿』シリーズ(フジテレビ系)でも活躍を見ることができる。『LIMIT OF LOVE 海猿』では、冒頭、大輔(伊藤英明)が環菜(加藤あい)に決め台詞「お前にチェックイン!」をやるためだけに、ヘリコプターに乗ってやってくる。もちろんそのシーンだけではなく、『海猿』では、荒れる海の上でヘリコプターから降下する機動救難士たちが映るシーンが多く、画面越しに安全を祈らざるを得ない緊迫した場面が感動を誘う。
思えばスタジオジブリでも、よく空を飛んでいる。飛行艇乗りのポルコが主人公の『紅の豚』や零戦の設計者である堀越二郎がモデルの『風立ちぬ』は、飛行機がメインと言ってもいい作品だし、『魔女の宅急便』『天空の城ラピュタ』など挙げればきりがないほど、ほとんどの作品で当たり前に空を飛んでいるのだ。ジブリの世界では、なぜか視聴者も当たり前にそれを受け入れてしまう。
様々な形で空を飛ぶことができる今、映画でも作品を彩る重要な要素として活躍してくれている飛行機やヘリコプター。映画やドラマを観て、空を飛びたいワクワクが出てきたら、実際に乗って旅に出てみるもの良いのでは? 舞のようなパイロットや管制官、整備士がいるから安全に旅ができることを忘れずに。
※記事初出時、本文に誤りがありました。訂正の上、お詫び申し上げます。
■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK