『シュルプ』運命の再会に曇り顔のムン・サンミン 後継者決定の裏で明かされた事実

「大人だから、母親だからいつも正しいわけではない」

 これは王妃イム・ファリョン(キム・ヘス)の言葉だ。子どものためと思ってやったことが、子を深く傷つけて道を塞いでしまうこともある。いつも冷静で大人びていたポゴム君(キム・ミンギ)は子どものように大声で泣きじゃくり、いつも子どもみたいだった母親のテ昭容(キム・ガウン)は我が子をしっかりと抱きしめていた。親の手によって子は育つが、親にしてくれるのもまた子なのだ。

 世子選抜試験の最終選考中である『シュルプ』(Netflixで配信中)。第11話では、大妃(キム・ヘスク)に利用されたテ昭容のせいで、ポゴム君が棄権することになってしまう。コ貴人(ウ・ジョンウォン)親子に続き、テ昭容とポゴム君も大きな懐で受け止めたファリョン。愛にあふれるファリョンの魅力は、キム・ヘスの人柄と通ずるものがあり心強さがある。結果として、ファリョン側についた者は笑顔が増え、王子たちの表情も明るくなった。

 晴れて世子に選ばれたソンナム大君(ムン・サンミン)。その裏で、王イ・ホ(チェ・ウォニョン)は信頼のできる臣下や師匠を探し、ファリョンは不正が行われていた選考会場に乗り込み、儒生が将来の王を自分の意思で公正に決められるよう奮闘する。そこには誰よりもソンナム大君を信じ、せめて正しい道を作ってやりたい親心があった。母親は子の傘にも膝当にも何にでもなれるし、なってやりたいのだ。

 世子が決まれば、次は世子嬪探しと宮殿内も忙しない。世子嬪候補にユン・スグァン兵曹判書(チャン・ヒョソン)の長女ユン・チョンハ(オ・イェジュ)が大妃とファリョンの目に止まる。幼い頃から体が弱く、縛りつけられずに自由に育ったチョンハは天真爛漫で、間違ったことには声をあげ、誰にでも寄り添える心を持った女性だ。チョンハを世子の失脚に利用する考えの大妃と人徳を認め盾となって守ると約束するファリョン。大事に育ててきた娘をどちらに託すかに迷いはないだろう。ユン兵曹判書はファリョンの味方となり、大妃側の人間がまた一人離れていく。

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