『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』トリビア解説 X-MENに繋がる要素も?

このキーワードがついに飛び出した

 劇中、ネイモアはタロカン人はもともと人間(地上人)だったかがヴィブラ二ウムの影響を受けた草を飲んだことで、海底で生活できる人種にとなったと説明しています。それに加え、ネイモアが他のタロカン人にはない飛行能力や怪力を持ち、地上での呼吸も可能なのは彼がミュータントとして生まれたからだ、と。そう、「ミュータント」という言葉がMCUの映画の中でも使われました。つまりMCUにおいて、このバースにおいてもミュータントがいることが明言されたわけです。これは今後のX-MENにもつながります(もっとも映画『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』にプロフェッサーXが登場したので、別バースにはミュータントがいることはハッキリしていますが)。

アイアンハート登場

 本作の新たなヒーロー、アイアンハートことリリ・ウィリアムズ。リリがコミックに現れたのは2016年。2017年に彼女はアイアンマンの意志をつぐ若きヒーロー“アイアンハート”として活躍します。MCUは今回のシュリ版ブラックパンサー、ミズ・マーベルやケイト・ビショップ(2代目ホークアイ)、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』のアメリカ・チャペス、さらに2023年2月17日公開の『アントマン&ワスプ:クアントマニア』では、アントマンことスコットの娘がヒーローとして活躍するとしても伝えられており、アイアンハートもここに加わることで新世代女性ヒーローたちがアッセンブルし始めていますね。この後アイアンハートを主役にしたディズニープラスのドラマシリーズも配信される予定。なおリリ役のドミニク・ソーンはシュリ役でオーディションを受けた過去があるそうです。

このナンバープレートに注目

 ワカンダのためにアメリカを裏切り逮捕されたエージェント・ロス。彼を護送する車のナンバープレートが「CB112976」なのは、チャドウィック・ボーズマン氏の誕生日1976年11月29日に由来します。

サンダーボルツVSワカンダ!?

 そのロスの元妻であることがわかったCIAの長官ヴァル。『ファルコン&ウィンター・ソルジャー』『ブラック・ウィドウ』でも暗躍していますね。フェーズ4において、ニック・フューリー的な動きをしています。今回、彼女がワカンダのヴィブラ二ウムを狙っていることがわかる。ヴァルはMCUのならず者が集まる『サンダーボルツ』にも関わりますから、サンダーボルツのミッションはワカンダからヴィブラニウムを奪うこと!?

そして息子

 今回のエンドクレジットに挿入される、いわゆるMCUの“おまけシーン”は、今までで最も感動的で余韻を残す場面でした。ティ・チャラの息子が登場します。

 彼のハイチでの名は“トゥーサン”ですが、これは1804年にフランスと戦ってハイチの独立を確保したハイチ革命の英雄、トゥーサン・ルーヴェルチュール将軍に由来します。この映画では、彼のワカンダ人としての名はティ・チャラ王の名をとったティチャラ王子です。コミックにもティ・チャラの息子はいるのですが、別バースにいて、名前はAzari(アザリ)。母親はX-MENのストーム(初期の映画版ではハル・ベリーが演じていた)! したがって、今回のトゥーサン/ティチャラ王子はMCUオリジナルのティ・チャラの息子です。

 『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』は繰り返し観たくなる傑作なので、リピート鑑賞の時の参考にしてください。あと僕はまだ未確認ですが、どうやら次の『アントマン&ワスプ:クアントマニア』に繋がるネタもさりげなくあるそうなので、ここも探してみたいと思います。

■公開情報
『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』
全国公開中
監督:ライアン・クーグラー
製作:ケヴィン・ファイギ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©︎Marvel Studios 2022

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