ミリー・ボビー・ブラウンが超能力を封印!? 『エノーラ・ホームズの事件簿』で見せる成長
『エノーラ・ホームズの事件簿2』は、警察から逃げ回るところから始まる。兄のシャーロックのように探偵事務所を始めたところ、あまり順調ではなかったが、ある時少女から姉を探して欲しいと頼まれたことがきっかけに、謎の失踪事件の真相を探るうちに、シャーロックが追っている事件との関わりも見えてくる……。
本作でのミリー演じるエノーラの特徴としては、「柔術」を心得ているということ。さまざまなことを教えてくれた母親の影響もあり、彼女は警察をも倒してしまうほどの腕前があるのだ。その姿に、シャーロックも思わずため息をついてしまうほどだった。
『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で、イレブンは超能力を使っていじめっ子を痛い目に遭わせるなど、信じられないパワーを操っていたミリー。しかし今回は打って変わって、より現実的な柔術という形で男性を倒してしまう、かっこよさを見せてくれる。
さらに、彼女のドレス姿にもうっとりしてしまうに違いない。舞踏会に潜入する際、ドレスの型が古いと他の女性たちに馬鹿にされながらも、任務を遂行しようとする強い意志を感じる姿には、大人の女優の仲間入りをした様子がうかがえる。勇敢に立ち向かうような成長した姿に、遠くから見守る母親のユードリアも感極まる程だ。視聴者としても、シャーロックやユードリアがエノーラを見つめるのと同じように、大人の女優の仲間入りをしたミリーの、成長を見届けているような気持ちになることだろう。
さらに多くの貴族女性が、侯爵のテュークスベリーと結婚したがる中で、彼はエノーラに対して一途な気持ちを持ち続けていた。プレイボーイと噂されるテュークスベリーの、エノーラに対する気持ちのまっすぐさと、政治家として国を良くしようとする純粋さに心を惹かれてしまう。彼の家の中が、緑でいっぱいなのも環境問題を解決したいという気持ちの表れだった。角度は違えど、正義に立ち向かう二人のバランスの良い関係は見逃せない。
2作目にして、今回シャーロック最大の敵・モリアーティが登場。終盤には、友人のいない孤独なシャーロックのために、エノーラが送り込んだ同居人ワトソンも登場したシャーロックが一作目よりも出てきてくれるので、シャーロックファンにもたまらない作品だ。
今作だけでは終わる気がしない、『エノーラ・ホームズの事件簿』シリーズ。Netflixに新たなミステリーの風を吹き込むことになるのか、今後の制作にも注目が集まる。
■配信情報
『エノーラ・ホームズの事件簿2』
Netflixにて配信中
監督:ハリー・ブラッドビア
脚本:ジャック・ソーン
出演:ミリー・ボビー・ブラウン、ヘンリー・カヴィル、ルイス・パートリッジ、ヘレナ・ボナム=カーター、デヴィッド・シューリス