実写版『ピノキオ』にみるディズニーの価値観の変遷 リメイクに求められる“現代性”とは
移り変わる時代の中、見逃されて来たマイノリティ性をすくい上げて自社作品のアップデートを図るのは、2022年に100周年を迎えたディズニーだからこそ必要な作業であり、率先して行う意味のある行為だ。アメリカで生まれたディズニー社のコンテンツは、さまざまな差別描写や偏見をも過去の作品で描いてしまっている。こうした描写は基本的に消えることはなく、ディズニープラスで配信されている問題表現の含まれる作品には、注意喚起を差し込むことで対応しているのが現状だ(黒人表現の問題から現在公開されていない映画『南部の歌』などの例外もある)。
さまざまな国のさまざまな人々から愛されている歴史あるディズニー作品は、多様性を重視し価値観をアップデートし続ける歩みを止めない。エンターテインメントの持つ力や影響力を知っているディズニーだからこそ、こうした行為がよりよい未来に繋がるアクションであることを提示し続ける必要があるのだ。今後公開が控えている『白雪姫』と『リトル・マーメイド』の実写版ではどのようなアップデートがなされ、その結果どのように物語の奥行きが広がるのかにも注目してもらいたい。
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■配信情報
『ピノキオ』
ディズニープラスにて独占配信中
監督:ロバート・ゼメキス
出演:トム・ハンクス、ジョセフ・ゴードン=レヴィット、ベンジャミン・エバン・アインワース
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公式サイト:https://disneyplus.disney.co.jp/program/pinocchio.html