『田舎街ダイアリーズ』ペク・ソンチョルの大胆告白で揺れ動く三角関係 ジョイの歌声も

 ヒドン里の“歩くお悩み解決センター”と呼ばれる警察官アン・ジャヨン(パク・スヨン/Red Velvet ジョイ)が笑うとぱっと気持ちが明るくなる。わりとポーカーフェイスを保っている獣医師のハン・ジユル(チュ・ヨンウ)も「その笑顔は反則だ」と言わんばかりに思わず顔がほころんでしまう。『田舎街ダイアリーズ』(Netflixで配信中)では、ジャヨンの笑顔に会いたい人たちがたくさんいる。

 365日、他人の世話を焼いているジャヨンは、幼なじみのイ・サンヒョン(ペク・ソンチョル)から「周りに好かれたいだけ」と言われ、ジユルからは「自己虐待」とまで言われてしまう。誰かのためにやっていることは、時に余計なお世話となり、“偽善者”や“自己満足”だと捉える人もいるだろう。受け手にそう言われてしまえば反論もできない。けれど、母親が家を出て行ってから一人になってしまったジャヨンを家族のように支えてくれたのは、ヒドン里の人たちの“おせっかい”だ。優しくされたら優しくしたいし、助けられたら次は自分が助けたい、笑顔にしてもらったから笑顔にしたい。感謝されたいとか、頼りにされたいとか、きっとそこに理由は存在しない。

 田舎が舞台となったドラマを観ていると、一人で生きている人はいないことに気づく。前回のコラムで『海街チャチャチャ』(2021年)や『私たちのブルース』(2022年)の話をしたが、『椿の花咲く頃』(2019年)、『天気がよければ会いにゆきます』(2020年)、『ラケット少年団』(2021年)、なども人と人との繋がりや田舎の風景に心が穏やかになれる作品である。もちろんこれらはフィクションであり、都会に住んでいると一人で生きられていると思ってしまうし、それが当たり前である。それに人があふれているから人との距離を取りたくなってしまうものだ。

『田舎街ダイアリーズ』Red Velvet ジョイ、チュ・ヨンウらによる穏やかなラブコメ

緑が広がる田園風景と時の流れがゆっくりと流れるヒドン里が舞台となる『田舎街ダイアリーズ』がNetflixで配信開始した。1話40…

 ソウルからヒドン里にやって来たジユルもそうだったはず。とはいえ、人は順応する生き物だ。カフェのコーヒーが飲めなければインスタントコーヒーの味に慣れるし、ジムがなければ外で走ればいい。白衣を着て仕事していたのに、汗だくになって自転車で駆け回っているのを想像できなかったのはジユル自身だろう。コンタクトではなく眼鏡をかけ、ちょっとダサめな赤いジャージ姿が妙に似合っていることに本人は気づいていないだろうけども。

関連記事