稲垣吾郎×新垣結衣で朝井リョウの小説『正欲』映画化決定 監督は『あゝ、荒野』岸善幸

稲垣吾郎×新垣結衣で『正欲』映画化

 稲垣吾郎と新垣結衣が共演する映画『正欲』が2023年に全国ロードショーされることが決定した。

 本作は、2009年『桐島、部活やめるってよ』で第22回小説すばる新人賞を受賞、2013年『何者』で直木賞を受賞した朝井リョウが2021年3月に発表し、第34回柴田錬三郎賞を受賞した同名小説を映画化するラブストーリー。

 家庭環境、性的指向、容姿……。様々に異なった“選べない”背景を持つ人たちを同じ地平で描写しながら、人が生きていくための推進力になるのは何なのかというテーマを炙り出していく本作。『あゝ、荒野』の脚本家・港岳彦と監督・岸善幸が再タッグを組んで映画化に挑む。

 稲垣が演じるのは、横浜検察庁に務める検察官であり、自分の力でマイホームを持ち、妻と子を養う寺井啓喜。新垣は、広島のショッピングモールで契約社員として働きながら、特殊性癖を持つことを隠して生きる桐生夏月役を新垣が担当する。小学校不登校の息子が世間から断絶されてしまう可能性を恐れる寺井と、自ら世間との断絶を望む夏月が、いつ、どこで、どのように交わっていくのか。

 映画は現在絶賛撮影中で、10月下旬にクランクアップ を予定している。

コメント

稲垣吾郎

脚本を読み終えた時、この作品に関われる事を嬉しく思いました。難しい題材にチャレンジする、監督、スタッフの皆様と共に丁寧に演じていきたいと思います。

新垣結衣

原作を読んで、何かを問われたような気持ちになりました。それは、「何が正しいか」とかそういう単純なものではないような、でも実はとてもシンプルなことのような気もしました。考え続ける事、想像し続ける事をいつも以上に大切にしながら、制作に臨めたらと思っています。岸監督とは初めてご一緒しますが、初顔合わせから親身に役についての相談などを聞いてくださり、とても心強く、感謝しています。撮影では、自分なりに、夏月達が生きる世界を必死に生きたいと思います。

監督・岸善幸

原作の衝撃と感動がずっと消えません。朝井さんの“視点”が生み出した登場人物たち、その感情をどう表現するべきか、模索が続いています。稲垣吾郎さん、新垣結衣さんをはじめとするキャストの皆さんとの対話を重ねて、少しずつ輪郭が浮かび上がってきたところです。人と人のつながりを描こうと思います。大切なのに、難しい、つながり。世界から「普通ではない」と片づけられてしまう人たちの、歪みのないつながりを描こうと思います。

原作・朝井リョウ

言葉にするとは線を引くということです。明確に名付けがたい感情や現象に無理やり輪郭を与えてしまうのが、言葉です。
映画には、表情、声色、沈黙など、言葉以外のものが沢山映ります。それらが、私が書きながら取りこぼしていったものたちを一つでも多く拾い上げてくれることを願っています。
そして、この物語の核が、いい映画を創るという意思以外の部分で歪められることのないよう、緊張感とともに祈っています。

■公開情報
『正欲』
2023年全国ロードショー
出演:稲垣吾郎、新垣結衣
原作:朝井リョウ『正欲』(新潮社刊)
監督:岸善幸
脚本:港岳彦
 制作:テレビマンユニオン
製作幹事:murmur
配給:ビターズ・エンド

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